車炎上もゲータレードで消火、必死の機転で夫と息子2人を救った女性。

2013/02/13 16:33 Written by Narinari.com編集部

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先日、米ケンタッキー州の高速道路で、父と息子2人が乗った乗用車が制御不能に陥り、2台の車に衝突する事故が発生した。動けなくなった車は、3人が乗ったまま炎上。慌てて救出しようと必死の行動に出たのは、別の車で後ろを走り、事故の瞬間を目の当たりにした母だった。周りにあった雪をかけるだけでは火は収まらず、何とかしたい一心の母は、運んでいたクーラーボックスからボトルに入ったスポーツドリンクを取り出し、車に撒き始めたという。

米放送局NBC系列WAVE-TVやCBS系列WTVR-TVなどによると、ケンタッキー州フランクフォートの高速道路出口付近で事故が発生したのは、2月2日未明のこと。同州ルイビルで暮らすジェフ・ブランチさん運転の車が制御不能となり、最初の車に激突した後に対向車線へとはみ出し、別の車と正面衝突して炎上した。

この日、中学生の息子ジャレッドくんがレスリングの州大会に出場するため、彼の兄と妻と共に家族4人で会場のマウント・スターリングへ向かったジェフさん。自身も高校でレスリングのコーチを務めているとあって、ジャレッドくんの素質も素晴らしく、出場した大会にも見事優勝して中学生の州チャンピオンになったという。しかしその帰り道、喜びに湧いていたはずの家族に悲劇が訪れてしまった。

不幸中の幸いだったのは、母デビーさんだけがジェフさんのコーチ仲間が乗る別の車に乗っており、事故を避けられたこと。しかし、すぐ後ろから事故の一部始終を目撃していた彼女は、炎上する車に取り残された夫と息子2人が出てこなかったため、急いで助けようと車を飛び降り、家族のもとへ走った。取り残された3人は、事故の衝撃もあってか反応が鈍い状態で、自力では外へ出られない様子。外からドアも開けられず、救急隊を待てない母は周囲に積もっていた雪を投げ、自分が消火しようと必死の行動に出たものの、「充分な量がなかった」雪はすぐに無くなったそうだ。

すると、大会に出る息子のために持ち運んでいたクーラーボックスの存在を思い出した母。中からボトル入りのスポーツドリンク「ゲータレード」を取り出し、懸命に車の上に注ぐと消化に成功。実際に「ゲータレード」が消火にどれほど効果的だったのか、どれくらいの量が投下されたのかなど不明な点も多いが、米メディアの多くは「ゲータレードで消火」とこの話題を伝えている。

ただ、事実として母の機転は結果的に実を結び、火の危険を免れた3人はその後病院へと搬送。父ジェフさんは「鼻や肋骨の骨折、内臓の損傷」を負う重傷だったものの意識はあり、軽傷だったジャレッドくん兄弟はすぐに退院できたという。

命が助かったから良かったものの、喜びの一日が暗転してしまったブランチさん一家。家族救出に大きな役割を果たした母デビーさんだが、自分の行動に対する「称賛の言葉なんて要らない」(米放送局FOX系列WDRB-TVより)とだけ語ったそうで、今は夫の回復を願うばかりのようだ。

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