スタバの“減量”返金要求は? 法的に見た弁護士の見解は「難しい」。

2013/01/11 16:59 Written by

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スターバックスコーヒーが、顧客への告知なしに、国内で販売しているドリップコーヒーなど温度の高いお湯を使うドリンクの内容量を減らしていることが、一部報道によって明らかになった。価格は従来のまま変わっていない。ショートサイズのコーヒー(300円)の場合、これまで容器の最上位から6ミリの高さまで注いでいたものを、15ミリまで減らすことが従業員のガイドラインとなったようだ。

内容量の変更についてスターバックスは「容器いっぱいに注ぐとこぼれやすく、またミルクを入れるスペースがないなどの指摘に応えたものだ」と説明し、経費削減のためではないとしている。報道したメディアの調査によると、実際には注がれる量が規定の15ミリを下回る20ミリになっていたケースもあるようだ。

2013年1月9日現在、同社のHP上ではこの件に関して何のコメントも出ていないが、報道によれば一部の客からは不満が出ているという。それでは、もし内容量の減少を知らずにコーヒーを購入し続けた客が今回の報道によって事実を知った場合、スターバックス側に減少分に相当する額の返金を求めることは、法的に可能なのだろうか。小池拓也弁護士に話を聞いた。

◎今回の減少分では、返金を求めても認められない?

「客がコーヒーを注文しスターバックスがこれに応じたとき、どのような契約が成立したと考えるかによります。仮に『容器最上位から6ミリの高さまでのコーヒーの売買契約』と考えれば、容器最上位から15ミリしかなかった場合、『9ミリ分について返金せよ』との理屈は成り立ちます。」

「しかし、この件に関しては、そこまでの契約が成立したとはいえないのではないでしょうか。おそらく『社会通念上、コーヒー1杯と評価できる量のコーヒーの売買契約』ということになり、容器最上位から15〜20ミリ程度では、返金を求めても認められないと考えます。」

つまり、注がれる量が減ったといっても、コーヒー1杯の量としては十分成り立っていることから、返金を求めても認められることは難しいということだ。

なおスターバックスは、顧客が量を多めにと注文した場合には応じるとしていることから、従来通りの量を希望する人は、頼んでみるのがよいだろう。

◎取材協力弁護士
小池 拓也(こいけ・たくや)
民事家事刑事一般を扱うが、他の弁護士との比較では労働事件、交通事故が多い。横浜弁護士会子どもの権利委員会学校問題部会に所属し、いじめ等で学校との交渉も行う。
事務所名: 湘南合同法律事務所

※この記事(//www.bengo4.com/topics/156/)は、無料法律相談・弁護士/法律事務所検索ポータルの弁護士ドットコム トピックス編集部(//www.bengo4.com/)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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