闘病少年の“願い”に警官集結、遠方から含め250人&パトカー100台。

2012/12/31 14:58 Written by Narinari.com編集部

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米バージニア州ラストバーグでがんと闘う5歳の男の子には、どうしても欲しいクリスマスプレゼントがあった。それは、彼が“ヒーロー”と憧れる警察官や消防士からのクリスマスカード。その話は周辺地域の警察に広がり、一部の警察官たちは彼の願いを叶えようとカードを作成し、さらには「直接届けたほうが良いのでは」と考えた警察官たちが州を越えて250人以上の有志となって集結、男の子の家に近い大学のキャンパスに100台のパトカーに乗って駆けつけたという。

米放送局NBC系列WHDH-TVやABC系列WSET-TVなどによると、クリスマスカードを希望したのは、5歳にして脳と脊髄のがんと闘うネイサン・ノーマンくん。4人兄弟の3番目として2006年12月28日に生まれた彼は、1歳になる前から発作を起こすようになり、定期的に病院へ通うようになった。そして2歳を過ぎたばかりの2009年1月にMRIで脳の検査をしたところ、腫瘍ができていることが初めて分かり、すぐに手術。病理検査で腫瘍は悪性と判明したが、残念ながら全体の45%は切除しきれず、その後は手術や化学療法を繰り返しながら、進行を食い止めるべく懸命の努力をしているという。

そんな彼はクリスマスと誕生日を控え、国中にいる“ヒーロー”からクリスマスカードを欲しがっていた。すると彼の願いを知った“誰か”が今年11月、援助が必要な人の願いを受け付けるオンラインサイト「ウィッシュ・アップオン・ア・ヒーロー」へ投稿。これをきっかけに、彼の願いが周辺地域の警察署へと広がっていくことになる。

その中の1つ、マサチューセッツ州バーリントン警察では、最初に話を知った刑事が中心となり、各部署で彼に贈るカードを書き始めた。さらに、カードを書くだけでなく「直接彼や家族に手渡したほうが良いのでは」との考えから、彼らは片道12時間かけてネイサンくんのいるバージニア州まで出向く計画が立てられたそうだ。

そして周辺の警察署にも声を掛けた結果、マサチューセッツやニューハンプシャー州にある80の署から250人以上の警察官たちが集結。12月20日、一団が乗った100台のパトカーは大事件が起きたかと思わせるほどの長い隊列となり、一路バージニア州へ向かった。一方、息子の願いが叶うと知ったネイサンくんの家族は、友人や地元警察の協力も得て、家にほど近いリンチバーグのリバティー大学キャンパスで訪問を待ち受けていたが、やって来るまで「どのくらいの警察官が来るのか、全く分からなかった」という。

いざ対面の時を迎え、ネイサンくんのために250人もの警察官が遠くから駆けつけてくれたと分かり、父ボビーさんは「なんと言えば良いのか、言葉が見つからない」と声を詰まらせながら感激。駆けつけた警察官の中には、彼と同年代の子どもを持つ親も少なくなかったそうで、彼のみならず両親に向けた応援の意味もあったようだ。

そして当のネイサンくんは、カード以外にもツリーなど多くのプレゼントをもらい、兄弟と一緒に大喜び。整列する警察官たちの前に家族と立ち、敬礼や「片足ジャンプ」といった珍妙な命令を出す司令官役も経験出来て、最高の1日を過ごしたようだ。大好きな人から応援されれば、誰だって今まで以上に力がみなぎるもの。大勢の警察官から応援の声をもらったネイサンくんもまた、幼いながらも、精一杯病気に立ち向かう力が湧いて来たことだろう。

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