世界初ジンベエザメ繁殖へ始動、沖縄美ら海水族館が“謎”に挑む。

2012/12/28 09:01 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


沖縄美ら海水族館は、飼育する3匹のジンベエザメの中で最大個体であるオスのジンタ(全長8.5メートル)が、飼育期間17年(確認当時。現在17年9か月)を経て、飼育下における世界初の性成熟に達したことを確認した。そこで、世界初の「飼育下におけるジンベエザメの繁殖」を目指した具体的取り組みとして、10月22日と23日にジンベエザメの個体入れ替えを実施。無事に成功したことを12月27日に発表した。

入れ替え作業は、館内で飼育されているジンベエザメの大きさ、個体間のバランス、繁殖の可能性を考慮し、10月22日にジンタに次ぐ大型のオス個体(7.5メートル)を海上イケスへ搬出。翌23日にはイケスで飼育されていた全長6.7メートルのメス個体を館内へ搬入した。これらの移動により、館内で飼育中のジンベエザメは、ジンタ、およびメス2個体(7.0メートル、6.7メートル)の合計3個体に。現在のところ、移動したオス・メス2個体は順調に飼育されているという。

ジンベエザメは世界の温帯から熱帯に広く分布する世界最大の魚類。最大全長は12メートル以上になり、沖縄美ら海水族館が世界で初めて飼育に成功した。ジンタは同種の世界最長飼育記録を更新中だ。しかし、ジンベエザメは学術的にも繁殖に関する知見が乏しく、成熟過程や交尾行動、さらに繁殖周期や妊娠期間など、ほとんどが未解明の状態。そうした中で、今回、世界初の「飼育下におけるジンベエザメの繁殖」に向けたプロジェクトがスタートした。

今後は、これまでに得られたジンタの生理値や生態学的データを、学術誌などに投稿予定。また、メス2個体については現在未成熟であることから、将来の成熟へ向けて飼育を継続していく。そして国内外の研究者と共同で、ジンベエザメの繁殖学的知見を得るための科学的調査を実施。ジンベエザメの“繁殖の謎”の解明に取り組んでいくという。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.