視聴率2%の「鈴木先生」映画に「ドラマ中は映画化難しいだろうと…」。

2012/11/27 05:17 Written by Narinari.com編集部

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2011年春にテレビ東京系で放送され、各方面に波紋を広げた連続ドラマ「鈴木先生」の劇場版「映画 鈴木先生」の完成披露試写会が11月26日に都内で行われ、主演の長谷川博己ほか、共演の臼田あさ美、土屋太鳳、風間俊介、富田靖子、原作の武富健治、河合勇人監督が登壇した。

この日、黒縁眼鏡とループタイという“鈴木先生”としての姿で登場した長谷川は、「ドラマ撮影中は映画化は難しいだろうという雰囲気だったので、こうやって皆様の前に立てることを幸せに思います。早く皆様に映画をお見せして感想を聞きたいです」と挨拶。そして「久しぶりではあるんですが、鈴木先生というスイッチが入ったりするのかなと思っていたのですが、そういう感じも特になくて……」と会場の笑いを誘うと、風間からは「逆にこの姿が自然すぎて、長谷川さんだというよりは、鈴木先生として自然に受け入れてしまっちゃってます。普段から長谷川さんはこういう恰好でいるんじゃないかな、という……」とツッコミが入った。

続いて、撮影時のエピソードを聞かれた長谷川は「命綱を使う危険なシーンがあったんですが、それにカビが生えていたみたいで……。かきむしったらカビが入ってしまって、しばらく肩の回りがカビだらけになってしまいました……」と衝撃(?)の告白し、会場を笑いの渦に包み込んだ。

ドラマオンエア時にはさまざまな賞を獲得したことについて、河合監督は「賞をいただけたことがすごく嬉しくて、期待に応えないといけないということもあったけど、それを跳ね返すぐらいの作品にしてやろうということで、スタッフとキャスト一丸となれたと思います」とコメント。

大人こそ楽しめる学園ドラマになっていることについては、富田「ささいな問題をここまで深く掘り下げて描いた作品はほかにはないんじゃないかと思います」、原作者の武富「大人向きということで書き始めた漫画ですが、ドラマが始まったら10代の方からも結構な的確な感想が来たりしました」、河合監督「知り合いから、子どもと見たらゾッとした、もう少し家族で楽しめる作品にしてくれという苦情が来ました(笑)。 僕としては、ぜひ親子で観ていただいて、会話をどんどんして欲しいなと思います」など、それぞれ感想を語った。

作品にちなみ、「中学校の時はどんな生徒だったか」に話が及ぶと、風間は「実際はかわいくない生徒だったんですけど(笑)。僕は実際の中学生活と(ドラマを通じて)架空の中学生活を送っていて、鈴木先生の中ではこのユウジというキャラクターが、鈴木先生の元にやってくる最後の転校生、最後の教え子みたいな感じなので、僕にとっては架空の恩師がいるというような喜びを感じています」と、自身にとって“ふたつの中学時代”を振り返った。

最後に長谷川は「こうやって映画ができたことは、監督にとって一番、スタッフが報われたことが僕には何よりも嬉しく感じます。元々映画を作ろうとした企画が先にドラマに、最終的に映画となりました。1回から10回までのドラマの集大成がこの映画になっています」、河合監督が「映画を観たら、きっとドラマを観たくなると思います。ドラマを1話から観たら映画を観たくなると思います。そうやって繰り返し見られることに耐えうる作品だと思っているので、繰り返し繰り返し観ていただいて、皆さんの心の意識や変革が起こればいいなと思っています」と作品をアピール、盛況の中でイベントは終了した。

「鈴木先生」は、2007年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した武富による原作をもとに、どこにでもいそうな平凡な教師が、どこにでも起こり得る問題について過剰に悩みつつ、独自の教育理論によって解決していく様を描いたドラマ。視聴率は平均2%程度とふるわなかったが、日本民間放送連盟賞テレビドラマ番組部門最優秀賞受賞(2011年)や、第49回ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞受賞(2012年)を受賞するなど作品の評価は極めて高く、また、熱烈なファンも多い。

なお、脚本は映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや「キサラギ」「探偵はBARにいる」、ドラマ「相棒」シリーズや「リーガル・ハイ」などヒット作・話題作を連発する古沢良太が担当。新春には、ドラマと映画のストーリーを繋ぐ短篇ドラマが放送されることも決定している。

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