中国人が“無人販売所”に感激「信頼できる社会って素晴らしい」。

2012/11/11 10:16 Written by Narinari.com編集部

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日本では地方に行くとよく野菜などの無人販売所を見かけるが、中国ではいま、無人の豆乳屋台が話題を呼んでいる。もともと有人の屋台だったものが無人化してから約10か月が経過したが、こうした商売では必ず起こりそうな“未払い”や“飲み逃げ”といった問題は、これまでほとんど発生していないそうだ。

中国メディア錢報網などによると、話題を呼んでいるのは湖北省孝感市雲夢県にある豆乳屋台。周囲から“老李”(李おじさん)と親しまれている55歳の男性が同店をオープンしたのは、今から4年ほど前のことだった。仕事を退職した李さんが小遣い稼ぎのために始めたもので、自宅の軒先に小さな屋台を組み、豆乳、豆乳花(豆乳を固めたスイーツ)、白きくらげのスープを提供。価格はどれも1元(約12円)と格安だ。

そんなごく普通の豆乳屋台が“無人化”したのは今年初めのこと。それまで自ら率先してお店を切り盛りしていた李さんの生活が慌ただしくなり、朝の忙しい時間にお店に立てなくなってしまった。そこで李さんは客の出勤時間に合わせ、朝6時から豆乳などの仕込みを開始。出来上がったものを店先に並べ、あとは客が自由に取って代金を料金箱に投入するシステムを採用することにした。

とは言え、こうしたシステムを採用するには勇気が必要。“未払い”や“飲み逃げ”がたびたび発生する可能性が否めないからだ。当初は李さん自身も心配していたそうだが、5〜6日間、注意深く観察したところ特に問題は起きず、また、中には手持ちがなく、翌日にきちんと後払いで支払ってくれる客も現れるなど、嬉しい出来事にも遭遇したという。李さんは「この10か月で5,000杯以上販売してきましたが、多くても未払いは5杯程度です」と笑顔で語っている。

この無人豆乳屋台は最近になってネットユーザーの投稿で広く知れ渡り、現在はテレビのニュース番組でも取り上げられるほどに。中国のネットユーザーからは「こんな時代、こんな社会に、こんなことが有り得るのか」「今の社会に微かながら希望を感じられた」「お互いに信頼できることは何て素晴らしいのだろう」などと絶賛されている。

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