高級スマホで中国メーカー苦戦、高価格帯のシェアは「ほぼゼロ」。

2012/11/08 15:22 Written by Narinari.com編集部

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調査会社IDCによると、中国は年内にも世界最大のスマホ市場になることが予想されているが、同国の市場拡大をけん引しているのは、中国メーカーの安価なスマホの存在だ。アップルやサムスンなどのスマホよりは機能的に劣るかもしれないが、そうした有名外国ブランドスマホに手が届かない消費者のニーズをうまく汲み取り、国内市場の拡大へ向けて積極的に端末を投入している。しかしある一面では、中国メーカーが苦境に立たされている状況が明るみになった。それは、高級スマホに限ってみた場合に、市場シェアが「ほぼゼロ」という現実だ。

中国紙南方都市報などによると、中国のある市場調査会社の統計では、中国内における3,000元(約38,000円)以上の高級スマホ市場はほとんどが外国ブランド勢によって占められている。特に中国ではアップルとサムスンの影響力が強く、そのシェアは両社だけで90%。残りの10%もやはりソニーやHTC、ノキア、モトローラなどの外国ブランド勢が占めており、中国メーカーの市場は「ほぼゼロ」という悲惨な結果だ。

この状況の背景には、中国メーカーが3,000元以上のスマホ投入を躊躇していることも一因にある。目下、中国メーカーの3,000元以上の高級モデルは少なく、どんなに高機能を謳ってもそのほとんどが3,000元よりも安い。これは3,000元以上のモデルになると、一気に外国ブランド勢との激しい争いに巻き込まれるためで、その競争の中では消費者のイメージを覆せないというジレンマを抱えている。中国のスマホシェア2位のレノボでさえ、3,000元以上のスマホとなると、消費者から見向きもされなくなってしまう状況だ。

南方都市報では、こうした状況を打破し、中国メーカーが高級スマホ市場に切り込むためには“2つの方法”があるとしている。1つはハードウェアの質を高めること。もう1つは新しい高級ブランドを打ち立てることだ。

しかし、同様の方法で挑戦した中国メーカーの金立とOPPOは、相応の結果を得られたとは言い難い。また、「国内メーカーのスマホ競争力は3,000元以内の市場にあり、3,000元以上の市場で戦えないのではなく、そもそも戦うに値しない市場」と断言するアナリストさえいる。今後、世界最大のスマホ市場を舞台に、中国メーカーはどのような手を指してくるのだろうか。

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