エアロスミス“原点”に降臨、バンド初のストリートゲリラライブ。

2012/11/08 13:38 Written by Narinari.com編集部

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11年ぶりとなるニュー・アルバム「ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!」を11月7日に発売したエアロスミス。アルバム発売直前の11月5日には、地元ボストンでバンド初となるストリート・ゲリラ・ライブを敢行し、その映像が公式サイトで公開された。

先週末、公式サイトで「来週月曜日にボストン市内でゲリラ・ライブを行なう」とだけ発表されていたが、場所は当日朝明かされることになっていた。そして、地元のラジオ局などで当日発表になった場所は、ボストン市のコモンウェルス通り1325番地。そこは1970年代初期、まだデビュー前のエアロスミスのメンバーたちが成功を夢見て全員で共同生活を送っていたアパートの住所だった。この場所こそ「ドリーム・オン」を始めとする数々の名曲が生まれた、彼らのキャリアの出発点ともいえる場所なのだ。

ボストンで通称“エアロスミス・アパート”と呼ばれているこの建物は、現在はボストンの音楽遺産の1つとして歴史的建造物に認定。ニュー・イングランド音楽博物館によって保存されている。

今回はボストン市の全面協力のもと、一般の市道を封鎖して、巨大トラックで作ったステージを設置。普段はスタジアム級のライブを行なうエアロスミスにとっては信じられないほどの小さく、狭いステージでの超レア・パフォーマンスとなった。会場は当日の朝に発表されたにも関わらず、数万人のボストン市民で埋め尽くされ、現地時間の正午にスタート。ボストン市のトム・メニーノ市長がバンドを呼び込み、エアロスミスのメンバーが登場した。

ステージに上がったスティーヴンは「僕らの出発点であるこの場所に来てくれてどうもありがとう。ずっとここに戻ってきたいと思っていたんだ」と冒頭にMCを入れてからショーが始まると、まさにこの場所で作られた楽曲が収められたデビュー・アルバム「野獣生誕」から「ウォーキング・ザ・ドッグ」「ムーヴィン・アウト」「ママ・キン」という懐かしい楽曲を3連発で披露した。

続いて新作「ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!」から「ラヴァー・アロット」、そして彼らの代表曲「バック・イン・ザ・サドル」「スウィート・エモーション」「ウォーク・ディス・ウェイ」、再び新作から「オー・イェー」と続けて、ラストはエアロスミスのライブの定番曲「トレイン・ケプト・ア・ローリン」で約45分のゲリラ・ライブは終了した。このストリート・ライブはAXSテレビが全世界にWEBストリーミングで生中継し、現在エアロスミスの公式サイトでこの模様を観ることができる。

また、この日はアメリカ大統領選挙の前日ということで、エアロスミスのメンバーと共に、トム・メニーノ市長や過去にスーパーボウルで3度優勝している地元の名門アメリカン・フットボール・チームであるニューイングランド・ペイトリオッツのジョナサン・クラフト社長、チームの顔でもあるアメフト界のスーパースターのトム・ブレイディなども参加。集まった数万人のボストン市民へ大統領選挙への参加を呼びかけを行なった。

40年前、成功を夢見てメンバーみんなで共同生活していたこの場所で、現在の彼らのステージ・サイズからは考えられないほど狭いスペースで身体を寄せ合いながらパフォーマンスするその姿。メンバー全員がデビュー当時を懐かしむように楽しそうに演奏しているのが伝わってくる。ニュー・アルバムと同様に「原点回帰」を強く感じさせるパフォーマンスで集まった数万人の地元ファンを熱狂させた。

メンバーのコメントは次の通り。

スティーヴン・タイラー:
エアロスミスという一つの夢の中を生きてこれた俺は、この上ない幸せ者だ。だけど、夢が最初に生まれた場所にこうして戻ってこれるということで、真の夢のサイクルが完成するんだ!コモンウェルス通り1325番地をこの日のために通行止めし、こうやって仲間全員で集まり、ボストン市長からお言葉をいただき、セメントに手形を取ってもらい…これは現実で起きていることなのかと疑ってしまうよ!今日は、長年の夢が果たされると共に、また新たな大きな夢が生まれる日なんだ…ドリーム・オン!

ジョー・ペリー:
偶然の巡りあわせと好運によってこのバンドはこの地で生まれ、その後アブダビからロンドンまで世界中の数えきれない程の都市を訪れたが、今もこのバンドのゆりかごにはボストンを選びたいと思っていることを声高に伝えたい。ここが今でも俺たちの故郷なんだ!
トム・ハミルトン:
俺が田舎に住んでいた十代の頃、ボストンに出てバンドをやることをずっと夢見ていた。高校を卒業して2カ月して、僕は今のバンドメンバーと一つのアパートに住んでいたんだ。今でもこの頃を毎日のように、思い返すよ。夢は今も続いているんだ。

ブラッド・ウィットフォード:
コモンウェルス通り1325番地でいくつもの曲に命が宿った。この地はいつも僕らの心と魂の深いところにあるよ。この歴史的な地で、僕らのこの長い旅路、を皆で楽しみながら祝えて本当に光栄だよ。ロックオン!

ジョーイ・クレイマー:
子どもの頃からの夢だった音楽を演奏することへの情熱は今でもまったく変わらない。僕の夢が現実になり始めたコモンウェルス通り1325番地は、これからも絶対忘れない大切な場所であり続けるだろう。そしてエアロスミスが誕生し、40年間故郷と呼び続けているボストン市もね。

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