“キックボード看護師”に物議、秒単位の治療が必要な救急病院に導入。

2012/11/02 12:04 Written by Narinari.com編集部

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救急医療の現場では秒単位の差が生死を分けると言われるが、中国のある病院はこのたび、1秒でも早く新生児のもとに駆け付けられるよう、キックボードと自転車の導入を開始した。もちろん、安全には十分配慮した上での措置だが、一部のネットユーザーの間で物議を醸しているようだ。

中国紙楚天都市法などによると、この措置を取ったのは湖北省武漢市にある湖北省婦幼保険院新生児科。同科では出生28日以内の新生児に対する救急医療を行っているが、看護師室と病棟をつなぐ2本の廊下が患者にとっての“重要な生命線”となっている。廊下は約80メートルの距離だが、秒単位で症状が変化する新生児の救急治療に対応するため、看護師がより早く現場にたどり着けるよう、キックボード3台と自転車5台を導入した。

看護師長の胡永群さんによれば、「ここでは“時間”の二文字、これが最重要です。重症の新生児はとても弱く、24時間体制の対応が欠かせません。新生児の病状に変化が現れたら、看護師は1秒でも早く現場に赴き、処置する必要があるのです」と話す。実際、今回導入されたキックボードを利用すれば、病棟への到着時間は約7秒間節約できるという。

しかし、この一件が報じられると、中国のネットユーザーからは「こんなものを病院で乗り回して安全なのか?」「衛生状態が気になる」などと、さまざまな疑問の声が噴出。中には「人がいない病院ならいいかもしれないけど……」と、日常的に混雑している中国の病院を頭に思い描き、予想外の事故の発生を不安視する声も出た。

ただ、前出の胡さんは「毎日、キックボードと自転車はほかの医療設備とともにきちんと消毒しています。また、安全にも考慮し、これらの乗り物は病室に入ることは一切許しておりません。あくまでも緊急事態に備え、医療関係者がこの廊下だけで使えるように準備しているだけです」と話しており、“心配は無用”としている。

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