アルコール度数65%のビール、強さも価格も驚異的な「アルマゲドン」。

2012/10/28 01:11 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


お酒が好きな人にとって、ビールは疲れた心と体に心地良い清涼感をもたらしてくれる飲み物。軽い口当たりと爽やかな喉越しに、つい流し込むペースも早くなってしまうのだが、英国ではそんな勢いでは決して飲めない新たなビールが開発され、話題を呼んでいる。26歳の若き経営者2人が営む醸造所が作り出したというビールは、その名も「アルマゲドン」。アルコール度数は65%、現時点で恐らく“世界一強いビール”だ。

英紙デイリー・メールや英放送局STVなどによると、「アルマゲドン」を生産しているのはスコットランド地方アバティーンシャー州のビール醸造所、ブリュー・マイスター。経営者の1人ルイス・シャンドさんは、より冒険的な製品作りにトライしてみるという「単純な考え」から、アルマゲドン開発のきっかけが生まれたと話している。

一般的に販売されているビールの場合、麦芽などの原料から煮出してできる麦汁に酵母菌を加え、低温で発酵させる。アルマゲドンの場合は、発酵の段階で麦汁を冷凍させることで「凍らないアルコールを残し、凍った水分を取り除く」(米ニュースサイト・ハフィントンポストより)工程を踏み、高いアルコール度数を生み出しているという。

気になる味については「驚くほど滑らか」。アルコールが強い酒は苦手というシャンドさんでも「テキーラやウォッカのストレートを飲むような辛さがない」と、アルマゲドンの飲みやすさを強調している。ただし、そうは言ってもアルコールが65%もある強い酒には違いなく、一応シャンドさんも「ジョッキで飲むのはお勧めしない」とコメント。アルマゲドンは、11月3日にインヴァネスという街で開かれるビールフェスティバルで初めて売り出すそうだが、「35ミリリットルで5ポンド(約640円)」というから、やはり少しずつ飲むのが適当のようだ。

少量ながら5ポンドという価格に驚く人も少なくないだろうが、ブリュー・マイスターの公式サイトでは330ミリリットルの小瓶での販売も行われ、こちらは1本40ポンド(約5,200円)とさらに高価。製造の手間に加え、一度に「40本分しか作れない」といった理由もありそうだが、シャンドさんは「問題のある飲み方をする消費者が、簡単に手を出せないよう」配慮したと説明している。

アルコール度数が強いビールは、英国やドイツのメーカーが近年競うように生産していたが、これまでの最高はオランダの醸造所が2010年7月に開発した60%のもの。今回のアルマゲドンはそれを上回り、恐らく“世界一アルコール度数の高いビール”となる。ブリュー・マイスターでは、近々「記録になるか確かめてもらう」とギネス・ワールド・レコーズへの申請も行う予定。さらに欧米やオーストラリアなどからの問い合わせも受け、今後は生産体制の拡張も見込んでいるそうだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.