胃バイパス手術で糖尿病治る? 米研究で6年後の寛解率が6割超に。

2012/10/23 10:55 Written by

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減量の方法として、欧米などで盛んに行われている「胃バイパス手術」。胃の一部を切り取ったり小袋に分けたりして十二指腸や小腸につなぎ合わせる、つまり胃を小さくする手術のことで、タレントのKONISHIKIさんが受けたことで有名だ。米ユタ大学医学部のTed D. Adams氏らは、胃バイパス手術を受けた糖尿病患者を検討したところ、術後6年目に糖尿病が寛解(症状が落ち着いて安定した状態)した割合が60%を超えたと、米医学誌「JAMA」(2012; 308: 1122-1131)に発表した。

◎糖尿病の新規発症率も抑制

胃バイパス手術は、胃を小さくすることによって少ない食事量で満足できるようになり、体重が減少する。これによって多くの健康リスクが緩和されると考えられている。

Adams氏らは、18〜72歳のBMI(肥満指数)35以上の肥満者1,156人(女性82%、平均BMI 45.9)をルーワイ胃バイパス術(胃を小袋に分けて小腸につなぐ術式)を受けた418人(手術群)、手術を希望したものの受けなかった417人(第1対照群)、手術を希望しなかった群321人(第2対照群)に分類。6年後の体重変化と、糖尿病や他の健康リスクとの関係を検討した。

その結果、6年後の体重は第1対照群が0.2%増加、第2対照群では変化がなかったのに対し、手術群では27.7%減少。減少した体重を維持している割合も手術群が優れていたという(術後2年目で94%、6年目で76%)。

術後6年目の糖尿病寛解率は手術群で62%と、第1対照群の16.5倍、第2対照群の21.5倍だった。また、糖尿病の新規発症率も第1、第2対照群の17%と15%に対し、RYBG群では2%と低かった。

※この記事(//kenko100.jp/news/2012/10/18/01)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(//kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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