“ポジティブ思考”研究の学会、「幸福を科学的に研究」目的に発足。

2012/09/24 03:29 Written by

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何事も良い方向に考えるプラス思考、ポジティブ思考が、心身の健康状態に好影響を与えることが近年、科学的に証明されている。この関係に着目した日本ポジティブサイコロジー医学会(理事長=国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター・大野裕センター長)が先頃発足し、9月18日、東京都で記者会見を開いた。大野氏は「今の日本では誰もが心を病む可能性があるが、ポジティブな考え方が健康に影響を与えることが分かってきている」として、ポジティブ思考によってもたらされる幸福を科学的に研究することなどを目的として同学会が発足したと説明。11月27日には第1回学術集会も開催するという。

◎一般からの参加も呼び掛け

冒頭の挨拶に立った大野氏は、現在、先進国で「障害によって失われた生存年数(DALY)」が最も高いのが精神疾患で、英国では精神疾患に関する医療コストや労働収益の損失が2007年で7.8兆円に上り、2026年には14.2兆円に達する見込みと紹介。日本では約2倍と推測されているとし、「今の日本では誰もが心を病む可能性があるが、ポジティブな考え方が健康に影響を与えることが分かってきている」と述べた。

こうした中、9月7日には超党派の国会議員らにより提出された「地域精神保健医療福祉の充実・拡充を求める請願書」が衆参両院の本会議で採択された。大野氏は「これまでは精神疾患への医療や福祉による対応が中心だったが、これからは保健、つまり予防を含めた対策が必要になる」と説明し、「病気」というネガティブな部分へのアプローチだけではなく、「予防」というポジティブな部分への介入の重要性を強調した。

同学会では、ポジティブ思考が健康の維持や病気の予防にどのような影響を与えるかを科学的に解明し、医療面から社会に貢献していくという。現在、日本抗加齢医学会(理事長=京都府立医科大学・吉川敏一学長)の会員を中心に30人ほどの会員数だが、医療関係者に限らず、一般からの参加も呼び掛けていくとしている。なお、11月27日には福島県郡山市で第1回学術集会の開催を予定している。

※この記事(//kenko100.jp/news/2012/09/20/01)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(//kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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