TV視聴2時間未満で寿命延長? 米国人対象の検討から“1.38年延びる”。

2012/09/19 15:18 Written by

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テレビを見ている時間が長いと、健康に対してさまざまな悪影響があることがこれまでの研究で示されている。こうした中、米ルイジアナ大学ペニントン生物医学研究センターのPeter Katzmarzyk氏らは、米国人を対象とした検討から、テレビ視聴時間を1日2時間未満にすることで寿命が1.38年延長する可能性があると、英医学誌「BMJ Open」(電子版)に発表した。

◎座っている時間の短縮でも寿命延長効果

Katzmarzyk氏らは、座っている時間やテレビ視聴時間と死亡との関連について調べた研究5件(対象者計約16万7,000人)のメタ解析を行い、年齢と性別の影響を除外した上でテレビ視聴による死亡リスクを算出。さらに、米国民保健栄養調査(NHANES)のデータから、成人の1日当たりの座っている時間(2009〜10年度のデータ)とテレビ視聴時間(2005〜06年度のデータ)を収集し、それぞれが関連した死亡が人口にどれくらい影響するか(人口寄与危険割合)を算出した。

その結果、座っている時間が関連する死亡の人口寄与危険割合は27%、テレビ視聴時間は19%だった。また、座っている時間を1日3時間未満に短縮することで2年、テレビ視聴時間を1日2時間未満に短縮することで1.38年、それぞれ寿命が延長する可能性が示されたという。なお、座っている時間が長いと死亡リスクが高まることも、これまでの研究で示されている。

Katzmarzyk氏らは「NHANESデータから、米国の成人は平均で1日の55%を座って過ごしていることが分かった。寿命を延長させるには集団レベルで取り組む必要がある」と強調する一方、「今回の研究では座りがちな生活が健康に悪影響を及ぼすことが明らかになったが、因果関係は依然不明。また、座りがちな生活を送っている人の寿命が、活動的な人と比べ2年あるいは1.38年短いことを直接証明したわけでもない。活動的でない時間の短縮が健康に及ぼす影響については、さらなる研究により確認しなければならない」と述べている。

※この記事(//kenko100.jp/news/2012/09/19/01)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(//kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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