観客なのにサッカー代表招集、急遽女子代表入りして同点ゴール決める。

2012/09/11 12:42 Written by Narinari.com編集部

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先日、英国のある女子サッカーの選手は、国際親善試合を観客として観戦していたところ急遽関係者に呼ばれ、思わぬ形で代表デビューを飾った。しかも、格上相手に同点ゴールまで決め、一躍“時の人”になったそうだ。

英紙スコティッシュ・サンや英放送局STVによると、この選手はスコットランド地方カールークで暮らす女子大生のサラ・クリリーさん(20歳)。ハミルトン・アカデミカルという地元クラブの女子チームに所属する彼女は、8月29日に試合に臨む代表チームのトレーニングを手伝い、翌30日は国際親善試合スコットランド代表vs.ノルウェー代表の試合をスタンドから観戦していた。

2013年に開かれるUEFA欧州女子選手権の予選2試合を9月に控え、この日の試合を最終調整と位置づけ、世界ランキング13位のノルウェーをホームに迎えた22位のスコットランド。しかし本番に向けた意気込みとは裏腹に、試合は不運が相次いだ。前半のうちにケガで2人の選手がピッチを去ると、後半にはさらに2人が負傷交代を余儀なくされる状況に。すると後半途中、「親善試合だから」とする審判の判断もあり、スコットランド代表はケガをしたFW選手に変え、観客席にいたはずのクリリーさんをピッチに送りだした。

実は前半終了後、ケガ人続出で選手不足に陥る可能性を感じていた代表チーム関係者が、練習相手で来ていたクリリーさんを代役に起用する案を検討。そんな緊迫した事態になっているとはつゆ知らず、ハーフタイム中にお茶を買おうと友人と一緒に店で並んでいた彼女は、突然やって来た関係者に「スパイクを持っているか」と尋ねられ驚いたそうだ。そのまま更衣室に連れていかれると、大き過ぎる背番号14のユニフォームを渡され、ウォーミングアップを開始。借りたスパイクも「ソックスを3枚重ね履き」してサイズを合わせたという。

こうして思わぬ形で代表デビューを飾ったクリリーさんは、1-2と劣勢だったチームに勢いを与えると、終了5分前に負けを免れる同点弾を決めるなど大活躍。代表初ゴールも「信じられない」と語った彼女だが、何より「友だちと1日過ごすつもりが、気付いたらピッチに立っていたなんてクレージー」と、一連の出来事すべてに驚いているようだ。

通常はいくら親善試合と言えども、代表クラスの試合で招集外の選手を出場させることはなく、彼女のケースは極めてまれ。突然与えられた機会をきっちり活かした彼女には、代表監督も「とても満足」と話しているそうで、これから活躍の舞台が大きく広がっていくかもしれない。

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