「LED使い切るまで無い寿命」今年のシルバー川柳入選作が決まる。

2012/09/10 13:09 Written by Narinari.com編集部

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社団法人全国有料老人ホーム協会は9月10日、毎年敬老の日に向け公募している「シルバー川柳」の入選作品を発表した。

今年で12回目を迎えた「シルバー川柳」は、9,353句が寄せられ、その中から20作品が入選。選考は協会加盟ホーム入居者のうち1,237人による候補作品への投票、およびシルバー川柳実行委員会で行った。

2012年の傾向としては、高齢者の応募割合が増加していることもあり、シルバー世代が共感を覚える作品や、「レディー・ガガ」「女子会」「スマホ」など、今のご時世を髣髴させるテーマを取り入れた作品が選ばれているのが特徴だ。

入選した20作品は次の通り。

◎第12回入選作品  ※順不同、敬称略
「日帰りで行ってみたいな天国に」斎千代子(71歳/女性/宮城県/無職)
「延命は不要と書いて医者通い」賣市高光(70歳/男性/宮城県/無職)
「紙とペン探してる間に句を忘れ」山本隆荘(73歳/男性/千葉県/無職)
「三時間待って病名『加齢です』」大原志津子(65歳/女性/新潟県/無職)
「目覚ましのベルはまだかと起きて待つ」山田宏昌(71歳/男性/神奈川県/経営コンサルタント)
「起きたけど寝るまでとくに用もなし」吉村明宏(73歳/男性/埼玉県/無職)
「年重ねもう喰べられぬ豆の数」乗鞍澄子(88歳/女性/兵庫県/無職)
「躓いて何もない道振り返り」山田徹(44歳/男性/群馬県/会社員)
「二世帯を建てたが息子に嫁が来ぬ」滝上正雄(64歳/男性/神奈川県/会社員)
「改札を通れずよく見りゃ診察券」津田博子(46歳/女性/千葉県/主婦)
「遺影用笑い過ぎだと却下され」神谷泉(50歳/女性/愛知県/パート)
「アイドルの還暦を見て老いを知る」二瓶博美(54歳/男性/福島県/無職)
「味のない煮ものも嫁のおもいやり」海老原順子(57歳/女性/茨城県/主婦)
「年金の扶養に入れたい犬と猫」藤木久光(68歳/男性/福岡県/無職)
「ガガよりもハデだぞウチのレディーババ」葵春樹(ペンネーム)(31歳/男性/千葉県/無職)
「女子会と言って出掛けるデイケアー」中原政人(74歳/男性/千葉県/無職)
「LED使い切るまで無い寿命」佐々木義雄(78歳/男性/京都府/無職)
「おじいちゃん冥土の土産はどこで買う?」角森玲子(44歳/女性/島根県/自営業)
「忘れ物口で唱えて取りに行き」角佐智恵(77歳/女性/福岡県/無職)
「指一本スマホとオレをつかう妻」高橋多美子(51歳/女性/北海道/パート)

題材別では「体力・気力・健康」を詠んだ句が最も多く、中でも「病院」を題材にしたものが目立ち、病気自慢、病院のはしご、病院の待合室での情報交換など、「病院」がシルバー層の大切な社交場であることがうかがわれる結果に。また身体の衰えのもどかしさを自虐的に嘆く句も多数ある反面、ボケ防止・健康のためとして、「脳トレ」「ウオーキング」などの言葉を詠み込んだ句も多く見受けらた。

次いで多かった「容姿・しぐさ」を詠んだ句では、衰えていく様子を揶揄する傾向にあり、「どっこいしょ」「よっこいしょ」など、年齢とともについ口に出てしまう言葉の引用や、年寄扱いされたショック、シルバーデビューをした嘆きなども多々。また、頭髪の自虐ネタが多いせいか、女性より男性の方が、容姿・しぐさを題材とする割合が多い傾向にあり、男性だけで見ると、題材別比率のトップは「容姿・しぐさ」だった。

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