“せっかち”は脳卒中リスクに、ストレスの多い生活が影響と発表。

2012/09/06 18:56 Written by

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競争的でせっかち、仕事熱心な人は行動医学的に「A型行動パターン」に分類され、ストレスを引き起こすことから、心臓や血管の病気になりやすいといわれている。こうした中、スペイン・マドリード・コンプルテンセ大学のJose Antonio Egido氏らは、A型行動パターンが脳卒中発症と関連することを、8月27日付の英医学誌「Journal of Neurology Neurosurgery & Psychiatry」(電子版)に発表した。

◎4項目のストレスを評価

行動パターンの分類は、A型のほかB型とC型がある。A型行動パターンは攻撃的、好争的、仕事熱心、せっかちなどの特徴がある。B型行動パターンはA型と真逆の性格で、消化性潰瘍や過敏性腸症候群(IBS)になりやすいといわれ、C型行動パターンはB型に似ているものの感情を抑えたり耐えたりすることが多い性格。こちらはがんになりやすいとされている。

Egido氏らは、スペイン・マドリード在住の脳卒中患者150人(脳卒中群)と、スペインの国勢調査から地方在住で脳卒中にかかったことのある人を除外した300人(対照群)を対象に検討を行った。

対象者の年齢は両群ともに18〜65歳未満、男女比は脳卒中群で77.3%、22.7%、対照群で36.3%、63.7%。ストレスの評価は、(1)人生の出来事を評価する項目(H&R尺度)、(2)不安や抑うつを評価する項目(GHQ 28)、(3)生活の質(QOL)を評価する項目(SF-12)、(4)A型行動パターンを評価する項目(ERCTA)―の4つで行った。


◎男性や不健康な生活習慣もリスク

検討の結果、H&Rスケールが150点以上(ストレスが大きい生活習慣)の人は、150点未満に対して脳卒中リスクは3.84倍だった。ERCTAが24点以上(A型行動パターン)の人でも、24点未満に対してリスクが2.23倍と高かった。

このほか男性(女性の9.33倍)、1日2回以上の栄養ドリンク摂取(1日2回未満の2.63倍)、喫煙(非喫煙の2.08倍、禁煙者では2.35倍)、エプワース眠気尺度(眠気の度合い)が9点以上(9未満の2.83倍)なども脳卒中の危険因子と認められた。

以上の結果からEgido氏らは、ストレスが大きい生活習慣やA型行動パターンが脳卒中発症と関連すると結論している。

なお、A型行動パターンは以下の項目に多く当てはまる人とされている(あくまで簡易判定のため、正確な診断は医療施設を受診してください)。

1.日常生活が忙しい
2.いつも時間に追われている
3.仕事に熱中しやすい
4.仕事に熱中すると他のことに気持ちの切り替えをしにくい
5.徹底的にやらないと気が済まない
6.自分の仕事などに自信を持っている
7.緊張しやすい
8.いらいらしやすい、怒りやすい
9.きちょうめん
10.負けず嫌い
11.気性が激しい
12.仕事などで他人と競争意識を持ちやすい

※この記事(//kenko100.jp/news/2012/09/05/02)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(//kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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