コーヒーで皮膚がんリスク減 コーラやチョコレートでも同様の効果。

2012/08/11 13:43 Written by

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米ハーバード大学医学部のFengju Song氏らは、コーヒーを飲むことで皮膚がんの一つ、基底細胞がんのリスクが低下するとの研究結果を、米医学誌「Cancer Research」(2012; 72: 3282-3289)に発表した。カフェインを含んでいる紅茶やコーラ、チョコレートでも、コーヒーと同様の効果が認められたという。

◎女性でより顕著なリスク減

皮膚がんには扁平上皮がん(有棘=きょく=細胞がん)、メラノーマ(悪性黒色腫)などがあるが、最も発生頻度が高いのが基底細胞がん。頭や顔に発生することが多く、ほとんどの人がほくろと勘違いするという。放っておくと皮膚だけでなく筋肉や骨などの深い組織へと広がっていくが、リンパ節や内臓に転移することはほとんどない。

カフェインと皮膚がんの関係についてはこれまで、動物実験で扁平上皮がんの発症を予防することが示唆されていた。

Song氏らは、米国の医療従事者を対象とした2つの研究のデータを使い、カフェイン摂取と皮膚がんリスクとの関係を検討した。対象者のうち、基底細胞がんを発症したのは2万2,786人、扁平上皮がんが1,953人、メラノーマが741人だった。

その結果、カフェインを取る量が増えるほど基底細胞がんのリスク減っていき、カフェイン摂取量で5つに分けたうちの最も高いグループは、最も低いグループに比べて女性で18%減、男性で13%減だった。

カフェイン入りコーヒー摂取が月1杯未満の人たちと比べ、1日3杯以上飲む人たちの基底細胞がんリスクは女性が21%減、男性が10%減。これは紅茶、コーラ、チョコレートからのカフェイン摂取でも変わらなかったが、カフェインレスコーヒーでは基底細胞がんのリスク低下は認められなかった。

一方、カフェインの摂取は扁平上皮がんやメラノーマのリスク低下とは関係していなかったという。

※この記事(//kenko100.jp/news/2012/08/10/01)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(//kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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