ジェット風船で子供誤飲事故、日本小児科学会が製品改善検討を提言。

2012/07/24 13:19 Written by

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日本小児科学会は7月20日、公式サイト上に掲載した傷害注意速報で、ジェット風船の吹き口のプラスチック製パーツを8歳の男の子が誤飲した事故があったことを明らかにした。同学会はこうした事例について、「風船遊びをするときは注意しましょう」という指摘では予防できないとし、製品の改善を検討するよう提言している。

◎小学生でも誤飲の可能性

公表された事故報告書では、今年4月、8歳の男児がジェット風船のプラスチック製パーツを口にくわえて風船を膨らませている最中に、パーツが脱落。息を大きく吸い込んだ拍子にパーツが食道に入ってしまったことが報告されている。ジェット風船は、屋外のイベントで配られていたものという。

男児は不穏状態で救急搬送されたものの、バルーンカテーテル(先端が風船状になっている中空の管)による摘出術で事なきを得たという。ジェット風船は1970年代から店頭で販売されており、プロ野球の試合中に飛ばす応援グッズとしても広く使われている。

2009年の新型インフルエンザ流行期には、飛沫(ひまつ=せきやくしゃみなどによって飛散する体液の粒子)感染の恐れがあるとして球場でのジェット風船の使用が制限されたこともあった。また、最近でもゴミが出る、天井に引っ掛かるなどの理由で使用できなくなっている球場もある。

今回、誤飲事故の原因となったパーツは、乳児でも誤飲する可能性が高い大きさという。ただし、パーツの真ん中に穴が開いており、窒息する可能性は低いと分析し、「乳幼児は必ず誤飲すると言っても過言ではないが、学童(小学生)でも誤飲は発生する」としている。

一方で、「風船遊びをするときは注意しましょう」との指摘で今回の事故は予防できないとして、パーツが風船から外れにくい構造を検討する必要があると提言している。

※この記事(//kenko100.jp/news/2012/07/23/02)は、医学新聞社メディカルトリビューンの健康情報サイト「あなたの健康百科」編集部(//kenko100.jp)が執筆したものです。同編集部の許諾を得て掲載しています。

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