浦沢直樹にパリのファン殺到、サイン会抽選に早朝から5時間以上の列。

2012/07/09 01:47 Written by Narinari.com編集部

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今年のジャパン・エキスポの大物ゲストとして、来仏が発表された直後から公式サイトや日本文化のフォーラムでフランスのファンを興奮させたマンガ家の浦沢直樹氏。彼が産み出した良質なマンガやアニメ化された作品は、フランスにも数多く渡っている。中でも「20世紀少年」はフランスのアングレーム国際漫画祭で最優秀長編賞を受賞していることもあり、フランス人への浸透度はトップクラスのマンガ家の一人だ。今回のジャパン・エキスポでは講演会のほかにサイン会も行われたが、その抽選のためにファンは朝の5時から入場門の前に並び、5時間以上の行列に耐え、抽選会場まで猛ダッシュ。一瞬「ここは日本のコミケか…?」と錯覚するほど、会場には熱狂的なファンが殺到した。

初日は「YAWARA!」や「MASTERキートン」「MONSTER」などの浦沢アニメを手がけた元マッドハウスの丸山正雄社長(現在はMAPPA代表)との講演で、丸山氏が浦沢作品に対していかに敬意を払い、念入りに制作しているかを説明。また、浦沢氏も、自身が企画やミーティングに参加することで作品をより良くしようと考えているという“想い”を語るなど、2人の幸運な仕事の履歴を披露した。そして丸山氏は「PLUTO」の完璧な作品化をぜひ手がけたいと熱望。フランスのファンに強い希望を抱かせた。

2日目の講演会は、ファッションショーなどが行われる収容人数の多いメインステージを使用。講演はインタビュー形式で行われ、大きなステージに相応しく、浦沢氏本人が2回もギターを持って「北国の少女(ボブ・ディラン、Girl From The North County)」、「20世紀少年」の劇中歌である「Bob Lennon(ケンジの歌)」などを披露した。

また、リクエストに応え、即興で自作のキャラクターを描くなどファンサービスもたっぷり。そして、浦沢氏の少年時代やマンガの制作エピソードも語られた。最後には大きなパネルに絵を描いたが、同じ経験を2009年、フランスのバンドデシネの巨匠メビウス(2012年3月に他界)とのシンポジウムで行ったことを話し、メビウス、そしてフランスへの熱い想いを吐露。スタンディングオベーションの中で講演は終了した。

会場を訪れたファンに話を聞くと、「とても素晴らしい経験だった。才能があるだけでなく、とても人の気持ちがわかる人だ」「もっともっと彼の作品が読みたい」など、感銘を受けたというフランス人が多々。フランスでの浦沢人気をさらに高めることになったジャパン・エキスポ、最終日に浦沢氏はライブに参加する予定だ。



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