溶岩湖に落ちたらどうなる? 重さ30キロのゴミを火口に投下して実験。

2012/06/28 08:47 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


エチオピア北部にあるエルタアレ火山は、火口に恒常的な溶岩湖を持つ火山。普段、表面は黒く固まって見えるのだが、その下はドロドロの溶岩で満たされている。そんな溶岩湖について、ある研究者グループは素朴な疑問を抱いていた。それは、もし人が落ちたらどうなるのか、という疑問。答えを求めた研究者は人に見立てたゴミを実際に溶岩湖に投下し、表面の動きを確かめる実験を行った。

実験の様子は、YouTubeに「Eruption after person falls in a volcanoes lava lake (test with organic waste bag) 」(//www.youtube.com/watch?v=kq7DDk8eLs8)とのタイトルで公開されている。実験は2002年に実施して撮影したもので、今年1月16日付で投稿されたものだが、6月下旬に多くの欧米メディアが相次いで紹介したことで注目を集めているようだ。

エルタアレ火山は、アフリカ大陸東部を南北に走るアフリカ大地溝帯上に存在する活火山。東西へ広がるように動くプレートの境目に当たるため、火山活動が活発で溶岩が絶え間なく噴出し、湖が形成されたという。こうした溶岩湖を持つ火山は世界でも数少なく、研究者グループはそんな珍しい湖を活用して、1つの実証を試みた。

専門家の間ではしばしば、密度が濃い溶岩に人が落ちた場合、中へ沈んでいくのか、沈まずに表面で燃えてしまうのかが議論の対象になるという。そこで彼らは、人に見立てたゴミを溶岩湖に投下。果たしてゴミはどのような経過をたどるのだろうか。

その実験シーンを収めたのが、投稿された動画だ。彼らは重さ約30キロ、縦横高さ共に60センチのゴミの塊を、火口の縁から投下した。ゴミは80メートル下にある溶岩湖に落下すると、黒く固まった表面は割れ、赤々とした溶岩が噴出。ゴミの姿はすぐに見えなくなるものの、燃えている様子を示すように煙がもうもうと上がり、徐々に溶岩の噴出は激しさを増してくる。まるで、ゴミの投下によって火山が目を覚ましたかのような勢いだ。

結果、少なくともエルタアレ火山の溶岩湖に人が落ちた場合は、「表面を突きぬけて沈んでいくはず」との結論が得られたというこの実験。自然が持つスケールの大きさが感じられるこの動画、皆さんもぜひ覗いてみてはいかがだろうか。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.