半身まひ少年の卒業式に喝采、3年間のトレーニング続け歩いて舞台へ。

2012/06/27 09:10 Written by Narinari.com編集部

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1歳のときの交通事故で半身まひとなった米国の少年が、先日、高校の卒業式に臨みました。彼は卒業式にある夢を抱いていました。自らの足で歩き、壇上で卒業証書を受け取りたい――。それを現実のものとするべく、数年前からセラピーとのトレーニングに取り組み、目標にしてきた“その日”を迎えたのです。

米紙ニューヨーク・デイリーニュースや米ニュースサイトMSNBCなどによると、この少年はカリフォルニア州サンディエゴに住む17歳のパトリック・イヴソンくん。物心つく前からずっと車いすでの生活をしている彼ですが、サーフィンやサッカー、テニス、カヤックなどのスポーツを楽しみ、ハンドサイクル(手漕ぎ自転車)によるハーフマラソンを達成するなど、体を動かすことが大好きな若者です。

そのパトリックくんは3年前、高校の卒業式という晴れの舞台で、クラスメイトと同じく「歩いて」卒業証書を受け取ることを決意。以降、脊髄損傷の人々をサポートし、歩行訓練のリハビリを提供する非営業団体プロジェクト・ウォークの助けを借りながら、1日6時間の特訓をずっと続けてきました。

そして迎えた卒業式の当日、舞台脇まで車いすでやってきたパトリックくん。彼のために特別にデザインされた歩行器やセラピストの助けを借りつつも、車いすからゆっくり立ち上がると、ふらつく足を一歩一歩前へ。3年間ずっと目指してきた舞台中央まで自らの足で歩き、ついに卒業証書を受け取るという“夢”を実現しました。この姿に、会場のほかの卒業生やその家族たちも感動。スタンディング・オベーションで彼を讃えたそうです。

リハビリに日々時間を割きながらも成績優秀で高校生活を終えたパトリックくんは、今後南カルフォルニア大学に進学します。 プロジェクト・ウォークの関係者によると、彼は今後もリハビリを続けて行くことで、将来は杖や、もっと簡易な歩行器のみでの歩行もできるとのこと。「大学の卒業式には飛び上がって、ジャンピングジャックでもしようかな」と笑うパトリックくんの次の“夢”は、もう決まっているようです。

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