心奪われた“恋人”は1本の木、カナダから英国へ毎年会いに行く女性。

2012/06/12 12:08 Written by Narinari.com編集部

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カナダに住む64歳のある女性は、7年前に英国を訪れた際に、ピクニックの人気スポットに立つ大木を見て一目惚れしてしまった。以来、彼女は幾度も大西洋を渡り、今は“恋人”とも“親友”とも感じている大木へ会いに出かけるそうだ。

英紙デイリー・メールなどによると、この女性はカナダ南西部のブリティッシュコロンビア州カムループスで夫と暮らす、64歳のヴァル・セルーさん。2005年、滞在している娘に会うために英国を訪れたという彼女は、旅行の最中にピクニックスポットとして、南部ハンプシャー州にあるニューフォレスト国立公園に出かけた。「故郷に帰って来たような、今までにない感覚があった」と、公園をいたく気に入った彼女。すると、散策しているうちに思わぬ出会いを見つけたという。

その相手とは、中心の太い幹からいくつもの枝が大きく広がった1本の立派な木。彼女はその木を一目見た瞬間、「自分との繋がりを感じる特別な木」であると思ったそうだ。もともと「すべての木には人間のようなエネルギーがある」と考えているセルーさんだが、この大木は特別に感じたようで、「ティーンエイジャーに見えた」とも話す彼女にとって、恋人のように心寄せる存在になった。

そしてセルーさんは大西洋を隔てたカナダから、毎年“恋人”が待つ英国へ4,000ポンド(約50万円)をかけて出かけるようになった。当初は「40年間幸せな結婚生活をしている」夫と2人で旅行していたというが、妻の“新恋人”に会う目的に付き合いきれなかったのか、夫も今では「家にいるほうがいい」と訪英を拒否。そして、「木の恋人に会いに戻るんだね」と冗談を言いながら、快く見送ってくれる。

一度英国に渡ると、毎日早起きして木へ会いに行き、数時間「抱いたりもたれかかったりして」幸せな時間を過ごすというセルーさん。それはまさに、大好きな恋人と仲睦まじく戯れる“乙女”の行動のようだ。

もちろん、ちゃんと「心から夫を愛している」と語り、今の結婚生活に問題がないことを強調。また、「別の男性に心移りしたことはなかった、この木以外はね」とも話しており、体力的にも資金的にも余裕がある限り、彼女は夫の許しを得て、毎年必ず木を訪ねる旅を続けていくそうだ。

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