中国のアニメ映画に酷評続々「フラッシュレベル」「世界最低更新」。

2012/05/31 11:52 Written by Narinari.com編集部

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劇場公開を間近に控えた中国のあるアニメ映画に、業界の内外問わず、多くの人々から批判が噴出している。クオリティそのものが低いという問題もあるが、中国のアニメ映画としては高額の部類に入る制作費を投入している事情も加わり、批判はエスカレート。制作会社や政府部門を巻き込んだ一大騒動に発展しているようだ。

中国メディア東南網や錢報網などによると、批判の的になっているのは、浙江省寧波市余姚市にあるアニメ制作会社・浙江河姆渡動漫文化発展有限公司が制作した「戚継光英雄伝」。この作品は中国の歴史上の人物・戚継光の“輝かしい功績”をモチーフにしており、六一児童節(子どもの日)に合わせた全国公開が決定している。

しかし、この作品の予告編が公開されるや否や、すぐに多く批判が殺到。全体的に動きがカクカクしている、同じシーンを使い回しているなど単純に予告編の質がお粗末であることに加え、制作費1,200万元(約1億5000万円)を投じている事情などが絡み合い、「こんなのフラッシュレベルだろ」「世界最低のアニメ映画の歴史を塗り替えた!」「この作品に、どのように使えば1,200万元も投入できるんだ?」等々、ネットでは袋だたきの状態となった。また、業界関係者からは「これはプロの作品とは言い難い」「中国産アニメのレベルが低いことは重々承知だが、これは輪をかけてひどい」といった感想も飛び出し、満場一致で“ダメ作品”の烙印を押されている。

これに困惑したのが、制作会社はもちろん、余姚市の政府関係者だ。というのも、予告編には余姚市政府幹部の名前もクレジットされており、政府が補助金を交付している可能性を指摘されたため。この点について余姚市政府関係者は「1,200万元という金額は制作会社自らが発表した数字であり、具体的な出所や使い途はわかっていない。私どもは一切投資していない」と同作品への補助金交付を否定した。

また、制作会社の董事長は「これは子ども向けに作った作品で、大人向けの作品ではない。ネットの批判は無責任で独断的だ。全国公開の結果をみてから客観的に判断しようじゃないか」と反論している。ちなみに、中国のアニメ業界には「子ども向けは質が低くても良い」といった風潮があるのは事実だという。

※予告編は //video.sina.com.cn/v/b/77601426-1290055681.html などで見ることができる。

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