攻撃したカモメをタコが捕食、散歩中に現場遭遇のカメラマンが撮影。

2012/05/25 13:28 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


暖かくなると心地よい潮風に足取り軽く、海辺の散策を楽しむ人も少なくない。今年3月、そんな穏やかな一時を過ごそうと、あるカナダ人女性も夫ら3人と太平洋に面した港の防波堤を訪れていた。ところが、そこで彼女は厳しい自然の競争を目の当たりにすることになる。目の前で繰り広げられていたのは、タコがカモメを丸飲みするシーンだった――。

カナダ放送局CBCやカナダ紙ナショナル・ポストなどによると、驚きの光景に遭遇したのは、カナダ南西部にある太平洋沿いの街ラングフォードで暮らすジンジャー・モルノーさん。3月24日、彼女は夫と自分の兄弟の3人で、自宅近くの防波堤を散策していた。そこはダイバーたちには知られたスポットという海の名所。広がる海を眺めながら、3人は防波堤の上を歩いていた。

ところが、3人の穏やかな時間は突如破られることになる。話をしながら海へ目を向けたモルノーさんは、1羽のカモメが水面に止まり「水中の何かを突いていた」シーンを目撃。しかし、やがてカモメの頭が「水中から上がって来ない」と気付いた彼女たちは、水面の下を窺うように海へ近付いてみた。すると、カモメの下には足を広げたタコがおり、カモメがどんどん捕食されていく光景を目の当たりにしたという。

あまりに「衝撃的な瞬間」を見てしまった3人。モルノーさんは夫に「カモメを助けたほうがいいかしら」と相談もしたというが、暴れていたカモメは「1分も経たずに」みるみる生気を失っていき、誰かが3メートルの防波堤を降りる前に勝負がつくのは明らかだった。そこでアマチュアカメラマンとして活動し、このときもしっかりカメラを携えていた彼女は、命を賭けた動物たちの戦いを残すべく撮影を開始。時間にして53秒、4枚の写真を撮ったところでカモメは息絶えた。

その後、彼女の写真は米国の野鳥の会によってツイッターで紹介され、鳥に勝つほどの強さを持つタコの意外性がインターネットで話題に。国内外のメディアからも取材が殺到したという彼女のもとには「タコの専門家」からも連絡があったそうで、研究者の間でも興味深い瞬間だったようだ。

こうして世界から大きな注目を集める写真撮影に成功した彼女だが、目の当たりにした本人は、今でもタコが「恐ろしい」と感じているとも。ただ、同時に「自然の摂理も思い知らされた」と話す彼女は、今回の写真が「今後のタコの行動に関する研究に役立つよう期待している」とも話している。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.