世界初の歩行者用エアバッグ、ボルボが新型「ボルボV40」に採用。

2012/05/23 18:28 Written by Narinari.com編集部

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ボルボ・カー・コーポレーションは5月23日、新型「ボルボV40」に採用される世界初の“歩行者用エアバッグ”の仕組みを公開した。

この“歩行者用エアバッグ”は、今年3月に行われたジュネーブモーターショーにおいて発表された新型「ボルボV40」に搭載されるもの。7つのセンサーなどにより、フロントガラスに向けて瞬時に展開するエアバッグだ。

交通事故死亡者数全体のうち、歩行者事故の割合は欧州で14%、米国で12%、中国で25%、そして日本は36%以上(※2011年警察庁交通局の資料より)を占め、負傷者の数ではさらに多くなる。車と歩行者の事故による最も深刻な頭部外傷は、ボンネットの下にある硬いエンジンなどの部品と、フロントガラスの下縁部やAピラーへの衝突によって引き起こされるため、ボルボはそれらの点を考慮に入れながら“歩行者用エアバッグ”の開発を進めた。

この“歩行者用エアバッグ”の目的は「歩行者がボンネットやフロントガラス、Aピラー部分に頭を打ち付けて致命傷を負う可能性を防ぐこと」。車の正面に埋め込まれた7つのセンサーがコントロールユニットに信号を送信し、車体が何らかの物体との接触を感知すると、信号が変化。コントロールユニットがその信号を評価し、感知した物体が人間の脚として認知された場合、歩行者用エアバッグが展開する仕組みになっている。

ボンネットのヒンジ部分には、システム起動時にピンを引き出しボンネットパネルの背面を開放する機能を装備。起動と同時にエアバッグが作動してガスの充填を始め、エアバッグが膨張する際にボンネットを10センチ上昇させる。これにより、ボンネットとエンジンコンパートメント内の硬い部品の間に隙間を作ることで、ボンネットを変形させ衝撃を吸収するスペースを与え、歩行者と衝突した際に衝撃を和らげる効果を生み出すという。

なお、このシステムは「歩行者が関係する事故のうち、75%が時速40キロ以下での走行時に発生している」とのデータから、時速20キロ〜50キロでの走行時に作動。システム起動時には、2000〜3000分の1秒という速さでガスがバッグに充填される仕組みになっている。

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