最大規模のモスが中国に誕生、“激戦区”広東省1号店に行ってみた。

2012/05/21 11:16 Written by Narinari.com編集部

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中国・広州に5月9日、広東省初の「モスバーガー」がオープンした。中国本土における「モスバーガー」は2010年2月に福建省南部の厦門(アモイ)市へ進出したのを皮切りに、同省で17店舗を展開している(※)が、今回の広東省は中国本土で最大の人口・経済規模を誇り、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどの外資系大手ファストフードチェーンの店舗数も中国国内で最大という激戦区。それだけに同国でも注目を集めているこの広東省1号店、どのような店舗なのか、早速ナリナリドットコムの中国特派員が訪れてみた。(※中国には1994年から店舗展開していたが、1997年に一度撤退している)

同店が店を構えるのは、広州随一の繁華街・北京路。北京路は道を挟んで多くのお店が軒を連ねている歩行者天国で、マクドナルドやケンタッキー、スターバックス、ピザハット、ユニクロなど多くの外資系飲食店やアパレル店が所狭しと並ぶ、特に若者に人気のエリアだ。

そんなエリアに誕生した「モスバーガー」は、1〜3階の延べ床面積約379平方メートル、144席の大型フラッグシップ店。日本と海外に約1,700店存在しているモスバーガー(モスカフェ含む)の中でも最大規模となり、すでに多くの店舗を抱える台湾(219店)や香港(16店)、福建省(17店)のように店舗数を増やして行く上で、ブランディングなどの面から重要な役割を担う店舗となる。

広州店のメニューは、モスバーガーやテリヤキバーガーなどといったスタンダードメニューを中心に計13種類。料金は最も安いハンバーガーが8元(約100円)、最も高いのが焼肉ライスバーガーの18元(約225円)だ。各ハンバーガーにセット料金(12元〜14元)をプラスすることで、ポテト、サラダ、モスチキン、ナゲットのいずれかとドリンクを付けられるようになっている。

また、広州店を含む「モスバーガー」の海外店舗では、パンではなく、お米をベースにしたライスバーガーを前面に押し出している点も特長だ。広州店のメニューチラシではライスバーガーが最も目立つ場所に掲載されており、実際、客の様子をうかがうとライスバーガーを注文している人は多かった。これは単にライスバーガーが中国では珍しいという事情もあるだろうが、パンを食べる文化が日本ほど浸透していない中国の人たちの目を向けさせる上でも大いに役立つに違いない。

広州店の関係者の話では、ライバルはマクドナルドやケンタッキーではなく、「スターバックスを利用するような、よりアッパーな層」とのこと。価格設定を見ればそれは明らかだが、落ち着いた内装や無料の無線LAN環境を用意している点からも、ゆとりのある時間・空間を提供したいとの思いが十分伝わってくる。

また、食の安全問題がたびたび騒がれる中国で、“ヘルシー&安全”を高らかに謳っている点も、そうしたものに比較的敏感な客(=裕福な層)を取り込もうという意気込みの現れと言えるだろう。

広東省では今回の省内1号店を皮切りに、今後5年間で30店舗の出店を目指すそう。“中国一食にうるさい”と言われる広東省の人たちに「モスバーガー」は浸透していくのか、今後に注目したいところだ。

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