震災延期“水攻め”映画公開へ、「のぼうの城」主題歌はエレカシに。

2012/05/09 04:04 Written by Narinari.com編集部

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東日本大震災の影響により公開が延期されていた野村萬斎主演の映画「のぼうの城」が、今年11月2日に公開されることが決定した。また、主題歌をエレファントカシマシが担当することも決定。この作品のために書き下ろした新曲「ズレてる方がいい」がスペクタクル大作を彩る。

「のぼうの城」は第139回直木賞にノミネートされ、2009年の年度本屋大賞2位を受賞、累計130万部を突破した和田竜の歴史小説が原作。時は戦国時代の末期、関東の北条家攻略に乗り出した豊臣秀吉の命を受け、石田三成が2万の大軍で武州・忍城を包囲していた。忍城を守る総大将は、領民から“のぼう様”と呼ばれた成田長親。籠城する500人の成田勢に対し、石田勢は城ごと水に沈める“水攻め”を試みるが――という攻城戦の模様が描かれる。

同作は当初、昨年9月の公開を予定していたが、東日本大震災後、製作サイドの「史実として石田三成による戦略の一つである『水攻め』が大規模な映像として描かれるなど、一部の描写がこの時節柄上映するには相応しくない」との判断により公開延期が決定。公開時期については「2012年秋」としていた。

ようやく公開が実現することについて久保田修プロデューサーは「8年の歳月を費やした作品ですが、いよいよ公開日も決まり皆さんにご覧になって頂けることを、本当に嬉しく思います」とコメント。「昨年9月公開の予定でしたので結果として1年以上の公開延期になりましたが、製作委員会28社の座組みも全く変更無く、キャストの皆さん、そして脚本の和田さん、犬童・樋口両監督にもご理解を得て、私どもも一層結束が強まっております。皆一丸となり新たな気持ちで公開準備に取り組んで行きます」としている。

また、主題歌を唄うエレファントカシマシの宮本浩次は「曲を作るにあたってまず映画を見せて頂き、男たちの心象風景が細やかに鮮やかに描かれていてどんどん引き込まれてゆきました。映像の美しさ、CGの迫力、あらゆる現代的な技術を駆使して今だからこそ出来る時代劇なのだと感じました」と夢中になったそう。そして「主人公成田長親に自分の心を投影し『ズレてる方がいい』というキーワードを得、“ズレてる奴らのカッコよさ”を正面から歌い上げました。試写会でエンディングにこの曲が流れたとき、この映画の登場人物の一人に自分もなれた気がして心が震えました」と、曲に込めた想いについてコメントを寄せた。

そんな主題歌の「ズレてる方がいい」について、主演の野村萬斎は「非常にストレートなロックで、『のぼうの城』から群像劇としての、大きなパワーを受けとって頂けたのではと感動しました。時代劇とロックがコラボして、時代を超える何かが現代にフィードバックされた瞬間のようにも感じられるエンディングの歌だと思います」と心打たれたそうで、「『ズレてる方がいい』という言葉はとても深みがあると思います。本質を見極めているからこそ、時にズレることもある、時代に流されずにズレる位に頑固に行かなきゃいけないという、主人公“成田長親”をはじめとする登場人物たちの信念を感じとって作ってくださったのだなと思い、とても嬉しいです」と喜びを語った。

野村萬斎にとって8年ぶりの主演作となる「のぼうの城」には、ほかに榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、平岳大、西村雅彦、平泉成、夏八木勲、中原丈雄、鈴木保奈美、前田吟、中尾明慶、尾野真千子、芦田愛菜、市村正親、佐藤浩市らが出演。監督は「眉山」「ゼロの焦点」の犬童一心と、「ローレライ」「日本沈没」の樋口真嗣が異例の“ダブル監督”としてメガホンを執っている。

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