“空飛ぶ車”に新たなライバル、ジャイロコプター型三輪車の開発進む。

2012/04/09 04:56 Written by Narinari.com編集部

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かつては空想の世界だからあり得た“空飛ぶ車”が、現実の世界で利用される日も実はそう遠くない。米国では軽飛行機にもなる自動車として、2006年から開発が進められてきたテラフージア社の「トランジション」が、2012年後半の販売を予定しているとされているからだ。しかしこのほど、新たにオランダでも“空飛ぶ車”が開発されたそうで、「トランジション」のライバルとなるのか注目されている。

英ニュースサイトのハフィントンポストUKや英紙サンなどによると、注目を集めているのはオランダPAL-V社が開発したジャイロコプター型三輪自動車「PAL-V One」。「トランジション」がエンジンを用いた軽飛行機型なのに対し、「2人乗りのハイブリッドカー」(公式サイトより)というこの車は、車体後部に搭載されたプロペラで推進力を生み出し、その力で得た空気の流れで上部のローターを回転させ飛ばす、ジャイロコプター型なのが特徴だ。

そのため「短い距離で離着陸できる」のが売りで、「540フィート(約165メートル)」の滑走路があれば離陸が可能だという。また、気流を利用してローターを回すため、仮に空中でエンジンが止まったとしても「問題なく着陸できる」と、安全面もしっかり確保された設計。この「PAL-V One」は3月下旬から走行や飛行試験が始められたばかりで、その様子はYouTubeで順次公開されている。

4月1日付で公開された「PAL-V Flying Car - Maiden Flight」(//www.youtube.com/watch?v=SgHSaNtAMjs)では、テストコースでの走行や飛行試験の様子を披露。空気力学を用いてデザインされたシャープな車体には前後に2人分の座席が配置され、運転席の様子も含めて、見た目は車というよりヘリコプターに近い。地上、空中共に最高時速180キロ出せる性能とあって、テストコースではスポーツカーのようにスムーズに走行。肝心の飛行シーンは軽快に離陸する様子から収められ、安定した飛行を経て着陸に至るまでの流れが確認できる。

同社では2年後となる2014年中の市販化を目指し、開発を進めているという「PAL-V One」。現時点で、その販売予定価格は「17万5,000ポンド(約2,300万円)」とされ、これは年内に発売される「トランジション」の「27万9,000ドル(約2,300万円)」(米紙ロサンゼルス・タイムズより)とほぼ同等だ。「トランジション」は現在「100台の予約」が入っている盛況ぶりで、「PAL-V One」も欧州で多くの需要が求められるかどうか、非常に注目されるところ。まずは順調に試験を重ね、「トランジション」に続く実用化に向け、しっかり目途をつけられるよう期待したい。

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