男襲ったピューマを熊が撃退、懐疑的な声含め“珍体験”に注目。

2012/04/03 07:05 Written by Narinari.com編集部

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人間が大自然の中に飛び込んだとき、野生動物に出くわして危険な目に遭わないよう、充分注意して行動するのは大切なことだが、それでも人間と動物が遭遇してしまうケースは少なくない。69歳の米国人男性は先日、カリフォルニア州北部にある森の中をハイキング中に野生のピューマに襲われたという。しかし、そんな“やるか、やられるか”の緊迫の現場に、今度は野生のクマが現れてピューマを撃退してくれたそうで、この珍しい体験は多くの米メディアで紹介されるなど注目を集めているようだ。

米地方紙パラダイス・ポストや米ニュースサイトのハフィントンポストによると、この体験談を明かしたのは、カリフォルニア州パラダイスに住むロバート・ビッグズさん。日頃からスポーツや砂金探しなどによく出かけるという「アウトドア派」な彼は、3月26日もハイキングを楽しみに、パラダイス近郊の森へと足を運んでいた。そしてハイキングコースに沿って進んでいた途中、少し離れた場所に3頭のクマのファミリーを発見。彼は昨年からたびたびこのコースでクマのファミリーを目撃していたこともあり、今回も数分足を止めて、その微笑ましい光景を眺めていたそうだ。ただ、これが不運の始まりに……。

母と小さな子グマ2頭が戯れる様子を「40フィートほど(約12メートル)離れた場所」から見守っていたというビッグズさん。心を癒され、満足して先へ進もうとしたまさにその時、彼に人生最大級のピンチが訪れる。突然背後からピューマに襲われ、押し倒されたのだ。彼はこのときの状況を「子グマを狙って近づいていたピューマが、無防備に佇む自分を見つけ、標的を変えたのではないか」と推測。ピューマは彼が背負っていた大きなリュックサックの上からその身を乗せ、地面に押さえつけてきた。

周囲に人もおらず、誰の助けも期待できない中でビッグズさんも必死に応戦。近くにあった石で頭を叩くなど抵抗を試みたものの、ピューマは「鳴き声を上げた」だけでリュックから離れず、彼に執拗な攻撃を続けたという。窮地に陥り、まさに万事休すか――そのとき、意外な助けが現れた。それは、先ほどまで離れた場所から見ていたクマファミリーの母クマ。今度は母クマに後ろから襲われる側となったピューマは「15秒くらい」格闘すると体が大きな母クマが勝ち、逃走していったという。そして格闘の後、母クマは「優しい目を向けて」子グマと共に森の中へ姿を消した。ちなみにビッグズさん、ピューマの攻撃で出来た腕の傷は幸いにも軽傷で、消毒しただけで病院にも行っていないと語っている。

この話題は多くの米メディアが報道。ただ、第三者の目撃証言がないことや、カリフォルニアにおいて「ピューマの襲撃は過去100年以上の間でも14件しか報告がない」珍しい事案のため、メディアやネットの注目はその真偽にも向けられている。

そうした疑いの目に対し、彼は事実だと証明するために、やはり懐疑的な環境保護当局へ血の付いたリュックや服を提出。現在DNA検査などが進められ、ピューマが本当に彼を襲ったのかを確かめているという。話の真相を知るのは、現段階でビッグズさんのみではあるが、いずれにせよ人間が自然の中で行動するときは、野生動物に充分注意したほうが良いのは間違いなさそうだ。

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