カナダで広がる木造ビル構想、森林資源活かし5年内に10〜20棟建築へ。

2012/03/27 16:41 Written by Narinari.com編集部

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ビルと言えば、一般的には鉄筋や鉄骨で建築されますが、豊かな森林資源を誇るカナダなどを中心に、近年は木造ビルの構想が広がりを見せているようです。カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーでは、この木造高層ビルのプロトタイプを実際に建築するべく、建築会社の入札を受け入れると発表しました。

カナダ紙カルガリー・ヘラルドによると、バンクーバーで準備が進められているのは、10階立ての木造ビル建設計画。先日、パット・ベル林業大臣が明らかにしたもので、ブリティッシュコロンビア州プリンス・ジョージに拠点を置くウッド・イノベーション&デザイン・センター社が設計・デザインした高層ビルについて、4月には建築会社の入札を始め、数か月以内に委託先を決定するというスケジュールが組まれています。

従来のビルに使用される鉄筋やコンクリートといった素材は、製造過程で多くの二酸化炭素を排出するほか、完成したビルも都市部の気温が上昇する「ヒートアイランド現象」の一因となるため、以前より木材を使用したビルというコンセプトには注目が集まっていました。

木材は軽量で二酸化炭素を吸収する特徴があり、地球温暖化防止にも一役。最も気になるのは耐久性や耐火性といった安全面ですが、木材に特別な表面加工を施せること、木材自体が軽量であることなどを考慮すると、従来のビルにも劣らない強さや防火が期待出来るそうです。

先日はカナダの建築デザイナー、マイケル・グリーンさんも30階建て木造高層ビルのアイデアを発表したばかり。ブリティッシュ・コロンビアでは、今後5年間に10から20の木造高層ビルの建築を目標に掲げています。そうしたビルが林立する日も、そう遠くはないかもしれませんね。

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