地中から響く謎の音で騒動に、原因はマグニチュード1.5の地震だった?

2012/03/27 14:03 Written by Narinari.com編集部

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米ウィスコンシン州のある街で、ここ最近、夜中を中心に続発する謎の現象が住民たちを悩ませている。その現象は、寝ていた人でも「目が覚めるには充分すぎる」(米放送局CBSより)ほどの大きさとされる、地中から響いてくる音。3月18日から突然始まったこの音の原因は、自治体がさまざまな調査を行っても特定できなかったことから多くの住民が困惑、中には引っ越しを検討する人もいるそうだ。

この謎の現象に襲われたのは、ウィスコンシン州にあるクリントンビルという小さな街。ここでは3月18日の夕方から連日「夜中や早朝を中心に」(米ラジオ局WTAQより)地面から音が鳴り響いているという。これまでに直接的な被害報告はないものの、住宅敷地内のひび割れや不眠を訴える住民も現れ、この事態に自治体も急遽地中調査を開始。ところが、ガスや上下水道のパイプラインには特に異常は見つからず、また、付近で原因となりそうな軍事演習や何らかの活動が行われた報告もなかったため、首を傾げる事態となった。

街では、原因を探るべく行われた集会に数百人が集まるなど、住民の中には不安を強くした人も少なくない様子。ある住民は「事態が悪化するのか好転するのか、誰が分かるんだ?」(CBSより)と話し、不安を隠せない。また、別の住民は「庭に立っていると地面の揺れを感じる」とも話しており、地震の可能性も連想させるが、住民の間ではそう思う人は少ないようだ。

というのも、この辺りは「100年間で小さな地震が10回程度」(米紙グリーンベイ・プレス・ガゼッタより)しか起きていない北米でも地盤が安定した地域という、クリントンビルの地域事情も関係している。また、地震に関する情報が自治体から発表されなかったことも拍車をかけ、住民の多くは地下水の何らかの現象が地層に影響をもたらしたのではないかと、疑っているそうだ。しかしそれを示す根拠も特定できず、音の原因は分からぬまま。米国内ではクリントンビルの現象が「ミステリー」として大きな話題となったものの、悩まされる住民の中には、原因が分かるまで引っ越しを検討する人も現れ始めた。

謎の音は少なくとも3月21日まで連日続き、自治体も原因究明に7,000ドル(約60万円)の予算を組み、専門会社に地盤調査を依頼。住民の不安除去に懸命な対応を行っていたところ、3月22日に光明となりそうな情報が米国地質調査所から伝えられた。それによると、3月20日の午前0時15分頃、クリントンビル付近でマグニチュード1.5のごく小さな地震が観測されたという。地震と謎の音との因果関係はなお不明とされているが、この情報で「恐らく関係している」と見た専門家は少なくないようだ。

ただ、このとき以外、地質調査所の観測では地震は確認できておらず、音の原因を突き止めるには「決定的証拠を掴むべく研究を続けるべき」と話す専門家も。それでも、音の原因に繋がりそうな有力情報とあって、自治体も地質調査所に地震についての問い合わせを行っている。すでに避難したある住民は、車で10分のところにある親類宅では「しっかり眠れる」と話すほど、極めて局地的に起きている謎の音。発生が続くにしても、せめて早く音の原因を突き止め、少しでも住民が安心して暮らせる環境になることを願うばかりだ。

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