サッカー愛しすぎて路上生活、“クラブ愛”貫き観戦続ける中国の29歳。

2012/03/27 13:11 Written by Narinari.com編集部

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今から2年前、ワイルドな風貌とファッションセンスが脚光を浴び、“イケメンホームレス”として日本のメディアでも紹介された中国の“犀利哥”(目つきの鋭いアニキの意)こと程国栄さんを覚えているだろうか。彼はその後、広告モデルやショーモデルなどを務め、現在は晴れてホームレス生活から足を洗ったと伝えられているが、このたび、新たにサッカー版とも言える“犀利哥”の存在が浮かび上がり、中国メディアやネットで話題を呼んでいる。その男性は大のサッカー好きが災いして、路上生活をすることになってしまったのだという。

中国紙成都商報などによると、注目を浴びているのは29歳の周旭さん。3月22日、中国のネットで「国安犀利哥」というハンドルネームの人物がクローズアップされた。「国安」は中国のプロサッカークラブ、北京国安のこと。つまり「国安犀利哥」は「北京国安の“アニキ”」という意味だ。

周さんは路上生活者ながら、自身が愛する北京国安の年間パスを保有しており、ホームの試合にはほぼ欠かすことなく観戦。普段はペットボトルや紙などを売り、24時間営業のファストフード店などで夜を明かしながら日々の生活をしのいでいるが、その少ない稼ぎを注ぎ込んでまで北京国安の試合を見続けている“クラブ愛”に、多くの人が感銘を受けたようだ。

しかし、周さんが路上生活をすることになった理由は、皮肉にもやはりサッカーだった。彼は昔からサッカーが大好きで、子どもの頃から地元の北京国安の練習場を訪れては練習風景を眺めていたそう。やがてサッカー漬けの日々の中で自然と勉強に身が入らなくなり、両親の怒りを買った結果、ついにはサッカーを見ること自体禁止されてしまう。ここで親の忠告を受け入れていれば、その後の人生は大きく変わっていたかもしれないが、彼はサッカーを見るために家出。以来、13年間にわたり路上生活をしながら、北京国安の試合を観戦し続けている。

周さんは「ご飯は少し食べればいい。ただ、北京国安の試合だけは逃せない」と話し、まだまだサッカー中心の生活を続ける気持ちに変わりはないとのこと。ただ、そんな彼も家が恋しくなることはしばしばあり、母親も「家に帰ってきなさい」と言ってくれているそうだが、もうしばらくは今の生活を続けながら、大好きな北京国安を応援し続けるつもりだという。

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