19階の部屋から猫落下も軽傷、飼い主は「8つの命を犠牲に生き残った」。

2012/03/27 11:58 Written by Narinari.com編集部

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西洋では簡単に死なない神秘の動物という意味から、「9つの命がある」と言われる猫。米ボストンの高層アパートで暮らす女性も、先日、その言葉をまざまざと思い知らされるハプニングに遭ったという。仕事中に動物病院から連絡を受けた彼女は、19階の自宅にいたはずの愛猫が転落し、アパートの外で見つかった事実を知らされた。しかし、猫は幸いにも軽い肺の挫傷だけで済み、女性は「8つの命を犠牲に生き残った」と胸を撫で下ろしている。

米紙ボストン・グローブによると、転落から生還を果たしたのは、ボストンの高層アパート19階に暮らすブリタニー・カークさんの飼い猫、メスのシュガー。3月21日午後、このアパートの2階に住んでいる女性が「窓の外を何かが落ちて行った」ことに気が付き、急いで外の様子を確認した。すると、地面にいたのは1匹の白い猫。その猫は「元気そうに見えた」というものの、女性が下に行くと、ほかにも転落に気付いた住民たちが猫を保護しており、すぐに動物救急サービスへ運ばれることとなった。

住民たちは当初、窓が開いていた「6階の住民が飼っている猫が落ちた」と思っていたそうだが、運ばれた動物病院でマイクロチップを調べると、この猫は19階に住むカークさんの猫、シュガーだと判明。それが事実だとすれば、シュガーは「およそ150フィートから200フィート(約45メートルから60メートル)」(米放送局CBS系列WBZ-TVより)もの高さを落ちた計算になる。それでも詳しい検査をしたシュガーの体は、軽い肺の挫傷が見られたほかは傷も骨折もなく、命に別状はなかった。

愛猫の転落事故からの生還に、飼い主のカークさんは「奇跡」と驚いた様子。それは動物に関してはプロの獣医たちも同じで、病院関係者も「彼女から19階に住んでいると聞いたとき、とてもビックリした」と話している。

それにしても、なぜシュガーは無事だったのだろうか。実は、過去に起きた転落事故のケースなどから判明している猫の行動がある。もともと高いところで身軽な動きが出来る猫は、落下する際に「体をリラックスさせて足を広げて」ムササビのような姿勢になり、落下速度を落とす動きを取るそうだ。そのため米国の獣医師の研究によれば、高所から猫が落下する際の平均速度は「時速97キロ」(英放送局BBCより)と、人間の「時速193キロ」に比べ大幅に抑えられるという。

さらに、シュガーの場合は草木もある柔らかい土の上に落ちたことも、今回軽傷で済んだ要因に。この愛猫の奇跡に、カークさんは「彼女は1つか2つ、いや、8つの命を犠牲にしたんだと思う」と話し、無事を喜んでいるようだ。

ただし、シュガーが転落したのは飼い主の不注意も大きな原因となっているはず。シュガーを救助したボストンの動物救急サービスは、この転落事故を紹介しながら、広く猫の飼い主に向けて「習性をしっかり考慮した上で飼育するように」とサイト上で警告。特に高層アパートの住民には窓の対策をするよう訴えるなど、猫が安全に生活できる環境の徹底を呼び掛けている。

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