中国に“第2のマクタッキー”、数店舗展開するチェーンに行ってみた。

2012/03/18 11:53 Written by Narinari.com編集部

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2007年ごろ、日本でも数多くのメディアで報じられた中国のファストフード店「マクタッキー」を覚えているだろうか。マクドナルドとケンタッキーが合体したようなコンセプトの同店は、「マイケンジー」(中国語表記は「麦肯基」)が正式名称だったものの、世界的チェーンのいろいろな部分を勝手に“パクった”ことをわかりやすく伝えるため、メディアは「マクタッキー」と呼称。一連の報道により、多くの非難の声が上がった。しかし、広い中国。実は特に話題になっていないだけで、こうした融合店は「マクタッキー」騒動以降も新たに生まれている。今回、中国・深センに数年前にオープンし、現在も営業中の「メイダーケン」(中国語表記は「美徳肯」)なる店があると聞き、ナリナリドットコムの中国特派員が訪れてみた。

「マイケンジー(麦肯基)」も「メイダーケン(美徳肯)」も、そもそもの名前の由来は「マクドナルド(麦当労)」と「ケンタッキー」(肯徳基)」から来ている。今回ご紹介する「美徳肯」の場合、マクドナルドの「麦」(mai)を、似たような発音を持つ「美」(mei)に置き換え、ケンタッキーの前2文字である「肯徳」の前後を入れ替え合体させることで新ブランドを創出しているわけだ。

このように微妙にブランド名を変え、本家と似た商品を提供することで、よく事情がわからない人たちを取り込むというのが中国の悪しき“模倣ビジネス”の王道。今回の「メイダーケン」もマクドナルドやケンタッキーの王道商品と似たメニューを販売しているほか、看板のロゴに描かれた“M”のデザインもマクドナルドの“M”にそっくりと、意図的に似せていることがわかる。価格は本家よりも2割ほど安くお手頃ではあるが、肝心のお味のほうは「マイケンジー」と良い勝負――つまりは全体的にあまり美味しくない印象を受けた。

ただ、だからといってすべてのメニューが不味いかと言われれば、そうでもない。数あるメニューの中で異彩を放っていた「チキンの丸焼き」は、ピリリと辛さが効いてなかなかの美味。価格は20元(約260円)と単品メニューの中では最も高いが、味と量、見た目のインパクトでは十分満足できるレベルだ。しかも「チキンの丸焼き」を注文すると、勝手にドリンク(ミディアムサイズ)が付いてくるため、実質的には16元(約210円)程度となる。

全国各地にある「マイケンジー」に比べ、「メイダーケン」は深セン市内に数店舗あるのみで、それも比較的僻地が多い。今回、夕食時に訪れたにも関わらず、客が少ないことから想像するに、あまり地元の人々に受け入れられている店とは言い難いようだ。だからと言ってそう簡単に潰れないところがまた中国の不思議でもあるのだが……。



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