死んだ音楽家“蘇生”で騒動、2年前に埋葬も家族は「本当に彼だ」。

2012/02/13 18:15 Written by Narinari.com編集部

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少なくとも現代の科学の常識に従えば、人は一度死んだら生き返ることはない。たとえ魂が天国に召されようとも、再びこの世に戻ってくることはないはずだが、先日、南アフリカではそんな常識を覆す人物が現れ、警察が動く事態が起きた。問題の人物は2009年に亡くなったとされる南アの大物民族音楽家を名乗る男性。1月に突然音楽家の実家に現れた彼に、家族も“本物”とする発言をして音楽家のファンを騒がせたそうだ。

英紙ガーディアンや南ア紙サンデー・トリビューンによると、南アで話題を呼んだのは同国で民族音楽家として知られ、2009年12月に亡くなったとされるムグメニ・クマロさんを名乗る男性。2010年1月に家族と多くのファン、そして政治家や芸能人も集まる中で埋葬されたクマロさんだが、今年1月29日に、家族は突如として彼の“蘇生”を信じるようになった。なぜなら、家族のもとに現れたクマロさんを名乗る男性とさまざまな話をしていく中で、彼を“本物”だと感じたからだ。

クマロさんが亡くなった際の顔や風貌とは、明らかに異なる姿をしていたこの男性。しかしクマロさんの家族は、男性が一家のこともしっかり把握していた点から「本当に彼だ」と信じ、涙を流して喜んだという。祖母によると、男性は2年間地元の呪術師によって「拉致されていた」と話し、その後、家に帰るよう促してくれた人物がいたおかげで逃げ出せたそうだ。その話を信じたクマロさんの家族は、2月5日にこの事実を公表。有名音楽家“復活”の知らせに、クマロさんの実家には「数千人」とも言われるファンが押しかけたと伝えられている。

ところが、この騒ぎはここで終わらず、急展開を迎えた。詰めかけた多くのファンは、演奏を拒み続ける男性の姿を見て「偽物だ」(南ア紙ソウェタンより)とショックを受け、さらに騒動に驚いた警察が男性を2月6日に逮捕。騒ぎを鎮静化させると共に、男性が本当にクマロさん本人なのか指紋やDNA鑑定などを行い、場合によっては墓地からクマロさんの遺体を掘り起こすことも検討したという。

そして指紋鑑定の結果から真実が明らかとなり、男性は真っ赤な偽物と判明。信じていた家族にとってはあまりに残念で人騒がせな一件となってしまったが、警察によると、クマロさんの元ガールフレンドからは別人との証言も寄せられていた。結局、28歳の男と身元が特定された容疑者は詐欺容疑で取り調べが続けられているという。

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