“村人全員が当せん”1人違った、スペイン巨額宝くじの悲喜こもごも。

2012/02/04 14:26 Written by Narinari.com編集部

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昨年末、スペインで販売された宝くじの1等1,800枚が、人口約2,000人の小さな街で集中して売られていたという話題をご存知だろうか。これは、クリスマス前に毎年販売されている賞金総額25億ユーロ(約2,500億円 ※世界最高額)の宝くじ「エル・ゴルド」で、1等の当たりくじすべてが同国北東部の街グラネンで販売され、多くの住民たちが当せん金を手にしたというもの。そのくじはグラネン近隣の村の人々も購入し、同様に高額当せん金をゲットしていたのだが、ある村では、村民の中でたった1人だけ当たりくじを手にできなかった男性がいるそうだ。

「エル・ゴルド」は1つのエリアで同じ番号がまとめて売られる仕組みで、当せん者が同じ地域に集中することも珍しくはないが、今回は人口約2,000人に対し1等1,800枚と驚異的な高確率だったことから世界中で大きな話題となった。結果、グラネンで宝くじを購入した人々は、1枚につき40万ユーロ(約4,000万円)の当たりくじを手にすることになり、街中が喜びに沸いたそうだ。

そうした中、グラネン近隣のある村では、1人喜べなかった男性がいた。米紙ニューヨーク・タイムズや米ニュースサイトのハフィントンポストなどによると、この男性はグラネンの南東部にあるソデトという村で暮らす、コスティス・ミツォタキスさん。映画制作をしているギリシャ出身の彼は、かつて「愛する女性を追って」人口250人のこの村に引っ越してきたという。現在は約70世帯ある村の集落から少し離れた場所で小屋を改築して生活しているが、この“少し離れた場所”だったことが喜びに預かれなかった原因となってしまったようだ。

1812年から販売されている「エル・ゴルド」は、スペイン国内で大きなイベントとして認知され、多くの家庭が購入する。ソデトでは村の婦人会がグラネンでまとめてくじを購入し、近隣の村々にも出向いて各家庭へ売り歩いていた。そのため、購入した全員が“グラネンで販売された1等くじ”を手にしており、当せん発表の日は村全体が狂喜乱舞するほどの大騒ぎになったという。

ところが、その喜びの輪の中にミツォタキスさんは飛び込めなかった。なぜなら、村の全世帯にくじを売って回った婦人会が、村はずれにある彼の家だけを「見落としてしまい」、売りに来ていなかったから。これで大金を得る大きなチャンスを逃してしまった彼は悲しんでいた――が、その後、しっかりと宝くじの恩恵が自分にも回って来た。

というのも、以前から自分が所有する土地を売りに出してたミツォタキスさんのもとに、当せん金を得た近所の人から購入の申し込みが舞い込んできたのだ。しかも、一気に2人から問い合わせを受けた彼は、小さな村で「嫌な気持ちが芽生えて欲しくない」と気遣いながら売り主を決め、「かなりの敷地」を良い値段で売り渡したという。直接宝くじの恩恵を受けられなかったのは痛恨の極みだが、土地が希望通りに売れた点については、結果オーライと言えるのかも?

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