6年かけ世界最大のガムボール、噛み終えたニコチンガム貼り付け制作。

2012/01/30 15:42 Written by Narinari.com編集部

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米国に「世界最大のガムボールを作る」ことを目標に掲げ、6年間作業に励んできた男性がいる。この男性が噛んだガムは延べ9万枚以上。ボールはまだ“成長”の途中だが、先日、すでに世界最大となった巨大な塊がテレビ番組で披露された。

このガムボールを作ったのは、北米のケーブルテレビ番組司会者のバリー・チャペルさん(50歳)。彼が出演する「アート&コインTV」公式サイトによると、作り始めたきっかけは6年前、欧州へ向かう飛行機だった。長年ヘビースモーカーだったチャペルさんは、15年前に子どもが生まれたことをきっかけに喫煙を止め、ニコチンガムを愛用するようになったのだが、今度はニコチンガムがなかなか止められなくなってしまい、このときの飛行機の中で少し困った出来事が起きたという。

機内でガムを噛んだのは良かったものの、捨て場がなく、困ってしまったチャペルさん。そこで彼は、噛み終えて出したガムを丸めて置いておくことにしたそうだ。そこから着々と何個もガムを口に運び、出したガムを丸めた塊と合体させ1つに……と繰り返していく中で、「ゆっくりと成長」していく塊を見て、一緒に搭乗していた当時5歳の娘が楽しみ出した。そして目的地に着く頃には大きくなったガムの塊を目の前に、彼は心の中で「娘と私の間で始まったある種のジョークが、本当に楽しいプロジェクトに変わった」(米紙サンノゼ・マーキュリーニュースより)と、記録に挑戦する気持ちが芽生えたそうだ。

こうして始まった「世界最大のガムボール」プロジェクト。その作り方は、単純にして地道な作業だ。彼は噛み終わったガムが一定の数集まると、まずは「サウナでガムを柔らかく」(米紙ロサンゼルス・タイムズより)して、まとめて形を変えやすくするよう準備。そしてガムを伸ばしてボールに貼り付けると、ドライヤーで熱を伝えながら成形し、さらに丸く大きなボールに仕上げていくという流れだ。

これを繰り返すこと6年、約9万5,200枚を使った彼のガムボールは、重さ約80キロ、円周約157センチの巨大な塊に成長。そして1月26日夜、彼は自らが司会を務める「The Fine Art Showcase」という番組で、このガムボールを視聴者に紹介した。そのとき放送された映像がYouTubeに「The World's Largest Chewed Medicated Gumball」(//www.youtube.com/watch?v=o8jVO4aQ_dE)のタイトルで公開されているが、紹介するチャペルさんは実に誇らしげだ。

というのも、彼の努力の結果がここで世界一と認められたから。この放送には、米国を中心に珍しい展示品を集める博物館を多く手掛ける「リプリーズ・ビリーブ・イット・オア・ノット」の副社長が招かれ、チャペルさんに対し「世界最大のガムボール」との認定証を手渡している。これには大喜びといった様子を見せているチャペルさんだが、本音の部分では「誇りには思えない」と周囲に話しているそう。なぜなら、「ニコチンガムを止めたい」(サンノゼ・マーキュリーニュースより)と思っている彼にとって、このボールは未だに止められずにいる証だからだ。

それでも、普通の人にはなかなか難しい“世界一”の称号を手に入れたチャペルさん。もうしばらくの間はガムボールはさらに成長していくようだが、いずれ彼がガムを噛まなくなったら、このガムボールはリプリーズの博物館が引き取るという。

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