10年交際の恋人葬儀で結婚式、長年の約束を果たし“永遠の愛”誓う。

2012/01/21 07:13 Written by Narinari.com編集部

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今年1月3日、タイでテレビディレクターを務めるある男性は、結婚を約束していた恋人を突然事故で失った。しかし、彼女との“永遠の愛”を誓うと決めた男性は、後日行われた葬儀で彼女にウェディングドレスを着せ、同時に結婚式も挙げたという。

タイ紙バンコク・ポストやタイニュースサイトのパタヤ・デイリーニュースによると、この男性はチャディル・デフィさん。彼がサリンヤ・カムサックさんという最愛の彼女と出会ったのは10年前、互いに通ったイースタン・アジア大学で恋が芽生え、交際を始めた。それから順調に愛を育んだ2人は結婚の約束も交わしていたというが、デフィさんの仕事は多忙を極め、「彼の都合で」(パタヤ・デイリーニュースより)結婚を先延ばしにしていたそうだ。

近い将来には必ず結ばれるはずだった2人。ところが、そんな2人の間を引き裂く不幸な出来事が1月3日に起きてしまう。交通事故に巻き込まれたカムサックさんが、結婚を果たす前にこの世を去ってしまったのだ。すると翌日、自身のFacebookで彼女への愛があふれたメッセージを書き込んだデフィさん。そこに彼は、スリン県の寺で行われる葬儀で彼女との結婚式も行う旨をつづり、友人たちを招待したという。長年の知人から「少し変わっている」(バンコク・ポスト紙より)と評されるデフィさんに、これには招待された多くの友人たちが驚かされたそうだ。

そして、彼女の葬儀が行われた1月9日。黒のタキシードにシルクハット、蝶ネクタイという格好で寺に現れたデフィさんは、横たわる彼女の体に純白のウェディングドレスをまとわせ、親族や知人らが見守る中で結婚式を行った。この様子はYouTubeとFacebookに写真を編集した4分半の動画(//www.youtube.com/watch?v=Bsnm-SxrfGA ※一部で彼女の遺体写真が映ります)で公開。3分10秒過ぎには病院で治療を受ける彼女の痛々しい写真もあるが、それまでは生前に撮った彼女のかわいらしい写真と結婚式の様子が紹介されている。

結婚式では彼女の左手薬指に指輪をはめ、手や額にキスをしているデフィさん。この動画は、テレビなどでも紹介されてタイ国内で大きな話題となっているそうで、再生回数も64万回(1月20日現在)に達している。ただ市民の反応は一様ではないとされ、「花婿に対する同情と感傷的な声」(バンコク・ポスト紙より)が多く聞かれる一方で、中には彼の行動に不快感を示す人もいるという。

こうした否定的な見方に対し、彼を「少し変わっている」と評したバンコク・ポスト紙の記者は意見記事の中で、知らない第三者が否定的に捉えるのは仕方ないとしながらも、性格を知る人物から見れば「彼は筋を通したかった」と擁護。デフィさんは、2人の愛が現実にあったという“証明”をしたかったのだと気持ちを代弁している。

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