ポニーの部屋飼いに周囲困惑、購入後の準備不足で厩舎預けられず。

2012/01/18 18:43 Written by Narinari.com編集部

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ペットを家族のようにかわいがり、家の中で飼っている人は多いことだろう。その際には周辺住民との間にトラブルを抱えないよう、騒音や衛生面などに充分に配慮することも大切だが、英国に住むある女性は、大型のポニーを昨年末から自宅内で飼育し始め、近隣とトラブルになっているという。

英紙スコティッシュ・デイリーレコードやスカイニュースなどによると、この女性はスコットランド・ルイス島で暮らす、65歳のステファニー・ノーブルさん。長年乗馬インストラクターとして働くなど、馬が大好きだったノーブルさんには、昔からの夢があった。それは、アイルランド原産のコネマラポニーと飼うこと。一般的に思い浮かべるポニーと比べ、一際大きい馬体が特徴のコネマラポニーに魅せられていた彼女は、昨年9月に1,850ポンド(約22万円)で、13歳のときに世話していたポニーによく似た3歳のメス1頭を手に入れた。

これで夢を実現させたノーブルさんだったが、購入後の世話はお世辞にも計画的とは言えなかった。ポニー購入が決まってから、飼育や放牧が行える厩舎へ入厩させようとするも、残念ながら手続きは頓挫。そこで、近所にあった空き家で世話しようと試みるも、建物の所有者に無断使用を通報された結果、ノーブルさんは逮捕され一時拘留される憂き目にもあったという。やがて周辺住民の相談を受けた動物保護団体が「ポニーの世話を申し出た」(英放送局BBCより)こともあったが、ノーブルさんは「この子は私の財産なの」と拒否。しかし昨年末、彼女は決断を迫られる。

最後の望みと考えていた厩舎が、「金銭的な問題」(スコティッシュ・デイリーレコード紙より)により、ここも入厩に失敗。もはやポニーの飼育場所が見つからない状況で、「寒い外には置けない」と判断したノーブルさんは、結局、自宅内で飼育しようと決めた。近所からは「誰が隣に馬が住んでいるのを望むというんだ」と、自分に対して冷たい視線が注がれているのは百も承知。それでもポニーはもちろん、餌や必要な器材などもすべて家の中に置き、現在、彼女自身は「2階の小さな寝室」で生活しながら、リビングにポニー、そのほかの部屋はすべてポニーの器材で埋まっているという状況だ。

ゆくゆくは「家の隣に厩舎を作りたい」とのプランもあるようだが、「少なくとも1,000ポンド(約12万円)必要」という資金はすぐには集められず、今は藁を敷くためのマットを買ったり、家具を移動させたりして、着々とポニー中心の家作りを続けている。

そんな彼女に対し、近所からはやはり不安の声が絶えない。住民たちの中には「ポニーはとてもいい子だと思うけど、彼女は違う」と話す人がいるなど、衛生面の問題に加え、ノーブルさんの理解できない行動に、不安を覚える人が少なくないようだ。

ポニーにとって好ましい環境なのかという点からも、住民たちは地元自治体にもこの一件を相談。ところが自治体も「馬を家の中で飼うことは奨励しない」というものの、「治安や衛生などの問題が起きない限り、彼女自身の資産をどう扱うかは自由」と不介入の判断を下している。

「多くの人から奇妙に見られようとも、ほかに選択肢がなかった」と、あくまでも苦渋の決断であったことを訴えるノーブルさん。住民たちとの溝は深いが、平穏なコミュニティを取り戻せるよう、一日も早い解決が望まれるところだ。

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