沖釣りで犬と遭遇しビックリ、海を泳いでいた“悲しい理由”とは。

2012/01/12 02:06 Written by Narinari.com編集部

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釣りをするとなれば、誰でも狙うのはもちろん大物の魚。ところが先日、米フロリダ州の海で釣りをしていた男性は、沖合で思わぬ“大物”を拾い上げた。その“大物”とは、海を必死に泳いでいた犬。岸から1キロ以上も離れた場所で遭遇した犬に、男性は手を差し伸べて自分のカヤックに乗せたのだが、なぜそんな場所まで泳いできたのかわからず困惑したという。そして後に、この犬は精神的なショックが原因で海に向かったことが判明したそうだ。

1月7日、大好きな釣りを楽しもうと身内がいるフロリダ州サラソタを訪れたのは、ワシントン州に住むロリー・オコナーさん。「アジを釣りたかった」(米放送局CBS系列WTSP-TVより)という彼は、すぐそばのメキシコ湾に向けてカヤックを出し、沖合約1マイル(約1.6キロ)の地点で釣りをしていた。この日は「全然釣れなかった」と釣果に恵まれなかったそうだが、その最中に思わぬ動物と遭遇し、大いに驚いたという。

そのときの一部始終はカヤックに取り付けていたカメラが記録していた。動画は「Sometimes when you're fishing, strange things happen...like, dogs swim up to you」(//www.youtube.com/watch?v=qX6UhgboDgc)のタイトルでYouTubeに投稿されている。

海の上で1人、カヤックに乗って仕掛けをいじるオコナーさんは、何かに気付いたように後ろを振り返ると、岸のほうから犬が1匹近付いてきた。このとき「何でこんなところに犬がいるんだ??」と不思議に思った彼は、そばに寄ってきた犬をカヤックに救助。犬はずっと「震えていた」ため、オコナーさんは「寒いのか」と心配していた。

そのためか、動画内でオコナーさんは頻繁に犬の体をタオルで拭いてあげている。そしてすぐに釣りを中断して岸へと戻ることに決め、自分の後ろでじっと縮こまっている犬を気に掛けながら、必死にペダルを漕いで岸に向かった。

岸に到着後、「海を泳いでいたのだから、ひょっとすると辺りを探せば飼い主を見つけられるかもしれない」と考えたオコナーさん。しかし、岸について少しずつ犬の異変に気付きだした。呼び掛けても犬は何かに怯えるような仕草を見せ、一向にカヤックから降りようとしない。そこで促すようにしてやっとカヤックから浜辺へ降ろすと、しっかり歩けない様子から「足にケガをしている」ことがわかったそうだ。

結局、岸で飼い主も見つけられなかったオコナーさんは、犬の治療のため動物病院へ。そこで埋め込まれたIDチップが調べられ、犬は“バーニー”という名前だとわかった。また、飼い主の情報も判明し、思わぬ出会いはこれにて一件落着――となるはずだったのだが、彼とバーニーを結びつけたきっかけが、その直前に起きた悲しい事件にあったという事実をオコナーさんはニュースで知ることになる。

実はこの日の午後、バーニーは飼い主の53歳の女性に連れられ、サラソタの街を散歩していた。ところが、その最中に交通事故に遭遇。22歳の男が飲酒運転で女性とバーニーをはね、「標識、電柱などにぶつかり」(米紙サラソタ・ヘラルドトリビューンより)停車。その結果、飼い主の女性は命を落とし、車を運転していた男はケガを負ったものの逮捕されたという。この話を知ったオコナーさんは「バーニーはできるだけ現場から離れたくて」泳いできたのではと考えるに至った。そして救助の際にバーニーが震えていたのは、寒さのせいでなく「多くのストレスを抱えていたからだ」とも。

その後、バーニーは女性の家族に引き取られて大事にされているそうで、ワシントン州の自宅に戻ったオコナーさんも、バーニーが「(無事に)家族のもとに戻ることができて嬉しい」と安堵しているという。

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