破壊力抜群な水と空気の大砲、安全に人質救出するためのテロ対策兵器。

2012/01/06 07:21 Written by Narinari.com編集部

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英国のある企業が昨年販売を開始した、人命救助用途向けの大砲が注目を集めている。この大砲、使用するのは水と圧縮空気だけにも関わらず、かなりの破壊力を持っているそうだ。

英放送局BBCや英紙デイリー・メールなどによると、この大砲を開発したのは、ウェールズ地方カーディフにある軍事製品メーカー・BCBインターナショナル。同社は主に「軍向けに、救命や保護などに使われる緊急時用の機材」(BBCより)を開発しており、過去には武器の破片から下半身を守るパンツを96か国に輸出した実績もあるという。

そんな同社が、昨年新たに開発・販売開始したのが「Wall Breaker」なる大砲。開発のきっかけは、テロなどで火器が使用されるシーンを想定した際に、「爆薬がよく使われるが、人質救出の観点から言えば相当危険」(デイリー・メール紙より)と考えたことだった。そこで生み出されたのが、水を入れたプラスチック製ボトルを弾にして、圧縮空気により弾を発射する「Wall Breaker」だ。

発射実験の様子はYouTubeに投稿された動画「BCB Wall Breaker」(//www.youtube.com/watch?v=aw_du1GIHaw)で見ることができるが、「Wall Breaker」はリヤカーのようなタイヤ付きフレームに備え付けられた移動式の大砲。弾丸に使用するのは、水が「22キロ」入るという専用の容器だ。これを圧縮空気によって「秒速300メートル」の勢いで発射するので、当然その威力も凄まじい。ブロックが積まれた壁はいとも簡単に崩れ、車に向ければ車体に穴を開けている。

万が一にでも人に当たれば相当危険な武器になるが、正確に建物に命中すれば、弾は衝突と同時に容器が粉々になり、周りに水が飛び散るとのこと。これにより「治安部隊はすぐに侵入できる」として、爆薬を使った武器より遥かに安全性が高いと同社は話している。また、水は火薬などよりも比較的現場での調達がしやすく、さらに「携帯できて飲み水にも」(デイリー・メール紙より)なると、武器以外としての利点にも期待できるわけだ。

ちなみに、昨年から販売がスタートした「Wall Breaker」は、すでに米国やタイなど数か国の軍や治安部隊に納入。多くの国からも注目されているそうだ。

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