“サンタおばあさん”に皆笑顔、今年も農村にプレゼント届けた94歳米国人。

2011/12/31 03:44 Written by Narinari.com編集部

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クリスマスが毎年恒例のイベントとして定着している日本とは異なり、中国ではクリスマスを祝う文化は都市部などの一部地域を除いてそこまで浸透しておらず、普段と変わらない、ひっそりと時期を過ごす街も少なくない。そんな中国に、10年以上もの長きにわたり、サンタクロースに扮して農村の子どもたちにプレゼントを贈り届けている94歳の米国人がいる。彼女のおかげで、活動の地ではクリスマスの認知度がグッと上がり、子どもたちは当日を楽しみに待つようになったそうだ。  

中国メディア斉魯網などによると、この“サンタおばあさん”が活動しているのは山東省聊城市の農村部。毎年クリスマスシーズンになると、“サンタおばあさん”はトナカイではなく、ロバに引かれたソリにたくさんのプレゼントを載せて、農村部の子どもたちに笑顔とプレゼントを贈り届けている。

94歳の“サンタおばあさん”は、1917年生まれの米国籍のユニスさん。彼女は両親が宣教師をしていた関係から中国で生まれ育ち、13歳のときにいったん米国に帰国したものの、80歳のときに再び中国に戻ってきた。それは幼少期を過ごした街に特別な愛着を抱いていたからで、以来、ユニスさんは聊城市で暮らしながら、高齢を感じさせない熱意でさまざまな慈善活動に勤しむ日々を送っている。

彼女が毎年子どもたちに用意するプレゼントは決して高価な品々ではないが(今年はノートとクレヨン)、それでも子どもたちはいつも大喜び。今年訪れた農村の学校では、授業終了のチャイムが鳴ると同時にユニスさんはアッという間に多くの児童に取り囲まれ、子どもたちからは「お礼に」と絵やメッセージが書かれたたくさんのクリスマスカードが手渡された。互いに抱擁を交わすユニスさんも、子どもたちもみな満面の笑顔だ。

こうした活動を始める前は、この街の子どもたちにクリスマスというモノ自体が定着しておらず、ごくごく普通に過ごす一日だったそう。しかし、ユニスさんが毎年サンタの格好をしてプレゼントを贈り届けてくれることから次第に知名度が上がり、今ではすっかりクリスマスの到来を、そして“サンタおばあさん”の来訪を心待ちするようになった。子どもたちにとって、クリスマスはお正月と同様にとても大事なイベントになっているという。

ユニスさんは「(ここには)クリスマスの音楽も、クリスマスツリーも、クリスマスパーティーもありません。でも多くの人たちが集まり、こうしてクリスマスを心から祝う気持ちがあるなら、ここのクリスマスが“面白くない”なんて言えるでしょうか?」と語る。恋人同士でプレゼントを贈り合ったり、パーティーで大騒ぎしたりすることもクリスマスの楽しみのひとつだが、こうしたイベントで何よりも大切なのは、まずは相手と喜びを分かち合えること。来年も“サンタおばあさん”が子どもたちに笑顔を届けてくれることを、心から期待したい。

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