風船に託した5歳の願い叶う、1,000キロ先の“サンタ”からプレゼント。

2011/12/31 03:10 Written by Narinari.com編集部

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サンタクロースからのプレゼントに、世界中で多くの子どもたちが喜んだであろう先日のクリスマス。その中に、サンタへ手紙を出したおかげで、人一倍思い出深いプレゼントを受け取った5歳の少女が米国にいる。彼女は北極圏に住むサンタに届くようにと、欲しいプレゼントを書いたメモを添えて、自宅のあるワシントン州から風船を飛ばした。すると、風船は北ではなく南へ流れたものの、後に彼女の願いを叶えることになる、ある家族のもとへ舞い降りたという。

風船を飛ばして願いを叶えたのは、ワシントン州オーバーンに住む5歳の女の子、ヘレン・ベレンス・レジェス・カルデナスちゃん。12月に5歳を迎えたばかりのヘレンちゃんは先日、母ローザさんに誕生日とクリスマスのプレゼントとして「おもちゃと服」(米紙シアトル・ポスト・インテリジェンサーより)をおねだりしたものの、はっきりした返事をもらうことができなかった。そこで母の助言に従い、人形やテニスシューズ、ズボンなど希望のプレゼントを書いたメモを2つの風船に添え、北極圏で暮らすサンタに向けて飛ばしたそうだ。

そのとき娘の期待に応えられなかった母親には、もちろんそれなりの事情があった。最近仕事が見つかりはしたが、ヘレンちゃんの父親がしばらく失業状態だったこともあり、「500ドル(約3万8,000円)の電気代」が未払いとなるなど家計は苦しい状態に。また、ローザさん自身も階段から転落して靭帯を損傷してしまい、9か月間仕事に通えない上「手術をする必要」に迫られており、優先度の高い支出先がほかにあった。そうした中、ヘレンちゃんにプレゼントの話をされ「どうしたら良いか分からなかった」というローザさんは、「自分が幼い頃の伝統」だったという、風船でサンタに手紙を送る話をしてあげたそうだ。

これを聞いて、早速準備に取り掛かったヘレンちゃん。ローザさんに手伝ってもらい、サンタへスペイン語の手紙を書き上げると、その手紙を2つのピンク色の風船に結び付け、空高く飛ばした。遠く北極圏で暮らすサンタに期待を込め、風船を飛ばしたヘレンちゃんの顔は「満足そうだった」といい、ローザさんもその様子を見て、少し安心したという。

その後、ヘレンちゃんが飛ばした風船は約1,100キロ南に離れたカリフォルニア州レイトンビルの牧場に飛来。この牧場を所有するジュリー・サンダーソンさんと彼女の息子が車に乗って見回りをしている最中、メモが付いたしぼんだ風船を見つけた。この日は数年前亡くなった「ジュリーさんの兄弟の誕生日」(米放送局ABCより)。そんな運命の日に見つけた手紙が気になった彼らは牧場スタッフにスペイン語の翻訳を手伝ってもらい、ヘレンちゃんの状況を理解した。そして、「彼女のクリスマスのお願いを手伝わなければ」(シアトル・ポスト・インテリジェンサー紙より)と思い立ったそうだ。

それからサンダーソンさん一家は、12月22日に約60キロ離れたショッピングセンターでプレゼントを買い、23日にヘレンちゃんのもとへ発送を完了した。これには、母ローザさんも感謝しきりの様子。北極圏のサンタとは逆の方向に飛ばされた風船ではあったが、結果的にはしっかりと“ヘレンちゃんのサンタ”にたどり着いたようだ。

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