突然髪が緑になる人続出の街、引っ越して来た人たちに起きた現象のワケ。

2011/12/25 13:40 Written by Narinari.com編集部

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ごくごく普通の生活を送る中で、突然、自分の体に目に見える異常が現れたら、誰もが恐怖を感じることだろう。最近、スウェーデン南部の街では、髪の毛の色が鮮やかなブロンドから緑に変わる住民が何人も現れたという。なぜ、このようなことが起きたのか、その謎を探るべく環境の専門家が調査を行ったところ、住民が日ごろ利用している水道水に答えがあったそうだ。

スウェーデン紙スコンスカ・ダーグブラーデやザ・ローカルによると、この妙な出来事があったのは、同国南部のある街。ある時期から新たにこの街へ引っ越してきた住民を中心に、髪の色がブロンドから緑に突然変わる現象が見られるようになり、理由がわからないまま人々は困惑してしまった。そこで環境に詳しい専門家らがこの問題を調査。住民たちの話す状況などから水道水を疑い、原因となりうる金属が含まれてないか分析を行った。

その金属とは、酸化すると緑色に変化する銅。専門家らは、水道水に通常より高い濃度の銅が含まれているのではないかとの仮説を立て、「変色した人が住む家3軒と、同じ地域に住むほかの2軒」(スコンスカ・ダーグブラーデ紙より)から水を採取した。ところが、すべての水で検出された銅の濃度は「通常の水と同じ」(ザ・ローカル紙より)だったそうで、仮説が脆くも崩れたことに専門家らは「首を捻った」という。

しかし後日、改めて地域の水道水を調べると、今度は銅の濃度が「通常の5倍から10倍」に上昇。やはり、この地域の水道水には高い濃度の銅が含まれていることが判明した。以前の調査時と違ったのは、このとき採取した水は、一晩蛇口を開けずに水道管内に長く留まっていたものだったという点。その後の調査で、この辺りで使用されている水道管は水が通る管内部の「コーティング不足」が原因で、長時間留まった水に管から銅が流れ出すという問題が発生していた。

しかもこの問題は、新築の家に使用されていた配管で特に顕著だったとも。そうした環境下で髪を洗った住民たちは、銅により髪の色が変わってしまったというわけだ。ちなみに、調査した専門家の一人は「古くから住む人の家は、銅の濃度は低かった」と話しているという。

現在はこうした住民たちに対し、水を飲む際は「しばらく蛇口を開けて」(スコンスカ・ダーグブラーデ紙より)滞留した水を飲まないよう注意喚起が行われ、さらに厳しい寒さにも関わらず「冷たい水で」(ザ・ローカル紙より)髪を洗う状況を強いられているそうだ。

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