「ヒミズ」2人がトロフィー初対面、ヴェネチア受賞も“おあずけ”状態。

2011/12/23 04:03 Written by Narinari.com編集部

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「行け!稲中卓球部」の古谷実原作、「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」の園子温監督による映画「ヒミズ」の完成披露試写会が12月22日、都内で行われ、主演の染谷将太と二階堂ふみ、共演の渡辺哲、でんでん、園監督が登壇した。

「ヒミズ」は古谷がギャグ路線を完全に封印し、話題を呼んだ超問題コミックの実写映画化。先の第68回ヴェネチア国際映画祭では、染谷と二階堂が日本人初となる最優秀新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)を受賞するなど、海外からも高い評価を受けた作品だ。この日はヴェネチア国際映画祭のトロフィーを“おあずけ”状態だった染谷と二階堂が、初めて本物のトロフィーと対面。会場は観客からの「おめでとう!」という大きな歓声と盛大な拍手で包まれ、染谷は「感無量です」、二階堂は「感謝の気持ちでいっぱいです」と、それぞれ喜びを語った。

撮影時の様子について染谷は「はたから見たら戦場のような現場だったと思います。苦しいと思ったことはなかったです。痛かったけれど、その痛みは素直に自分の心に響く、楽しい現場でした。園さんから『いままでやったことは忘れて、自由にやれ』と言われ、いかに自由にやるかを考え、演じました」と振り返り、二階堂は「オーディションでは、とにかくやりたい気持ちを伝えました。怖い気持ちもありましたが、現場の空気にふれたら怖くなくなって演じた茶沢にのめりこめました。現場はいい意味でピリピリしていて、カメラのまわっていないところでは和気あいあいとした現場で、楽しかったです」と語り、2人とも口を揃えて「楽しい」という、充実の現場だったようだ。

また、園監督は「初の原作はやはり心ときめくものをやりたいということで、自分でこの作品を選びました。3.11があり、脚本を書き換えたのですが、2011年のリアルな若者を描いたほうが原作のもつリアルなスピリットに合わせられると思い、震災のことも取り入れました」とし、主演の2人については「自分の限界を勝手に自分で作っていなくて、『自分はもっとできるはずだ』というパワーがみなぎっていて、どんどん良くなっていった」と、現場でも“成長”していく姿に感心したという。

ヴェネチア映画祭での公式上映後、多くの観客が涙し、8分間のスタンディングオベーションが起こったが、これには「意外でした」。そして「日本の観客を意識して作ったので、海外の評価は意外でもあり、うれしかったです」と喜びを語った。

映画「ヒミズ」は2012年1月14日(土)から、新宿バルト9、シネクイントほか全国ロードショー。

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