“利息8%”の銀行レストラン、中国でコンセプトが受け上々の滑り出し。

2011/12/19 05:26 Written by Narinari.com編集部

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レストランや定食屋、屋台など、多くの飲食店が所狭しと並ぶ中国の都市部では、各店が生き残りをかけた熾烈な競争を繰り広げている。そうした店のほとんどは低価格や味、割引などの売りを全面に押し出し、他店との差別化を図ろうとしているが、どれも“似たり寄ったり”になりがちなのは致し方ないところだ。しかし先月、四川省に誕生したあるお店は、少し変わった戦略で客寄せに成功している。それは、レストランを銀行に見立てた“銀行レストラン”というコンセプトだ。

中国メディアYesky新聞頻道などによると、このコンセプトを打ち出しているのは、11月16日に四川省成都成華区に誕生したレストラン「砂魚銀行飯局」。このレストランでは支払金額の8%を“利息”として客に払い戻すサービスを導入しており、多くの人から支持を集めている。例えば客がレストランで100元支払った場合、手渡される専用の用紙を払い戻しカウンターに持っていくと、1か月以内ならば消費金額の8%(8元)が“利息”として客に払い戻されるというものだ。こうした店名や割引サービスがハッキリと銀行を模している面白さなどが受け、オープンからまだ1か月ながら市民の評判は上々だという。

「砂魚」のオーナーは47歳の劉白坡さん。料理研究家として10年以上のキャリアがある大の料理好きだが、今回のレストランオープンのきっかけは2009年にまで遡る。

その年、自宅を購入した劉さんは、広々としたベランダを食事スペースとして活用し、友人らに創作料理を振舞うようになった。以来、3年間にわたり自宅に客を呼んでは自慢の料理を出していたが、彼の料理は次第に多くのファンを生むようになる。そこで、一人でも多くの人に自分の料理を味わってもらいたい――との思いと、ちょうど友人が「店舗スペースを安く貸そう」と提案してくれたことから、思い切ってレストランのオープンに踏み切った。

とは言え、数多ある飲食店、何かしら特色を出せなければすぐに淘汰されてしまう。当然、新規のお客さん相手に“劉さん自慢の創作料理”という触れ込みだけでは難しい。そう悩み、考えに考えた挙句に閃いたアイデアが、今回の“銀行レストラン”だった。

劉さんの将来の夢は、客が自宅にいるような感覚でリラックスしながら食事や遊びを楽しめるレストランにすること。“銀行レストラン”というアイデアは多くの人々の関心を集めることに成功し、まずは第一歩を順調に踏み出すことができたようだ。

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