中国のスパイDVカメラを試す、“香港記者ご用達”の売り文句も…。

2011/11/19 10:55 Written by Narinari.com編集部

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日本で中国製品というと、“パクリ”や“安くて品質が悪い”といった負のイメージが根強いが、そこは人口13億人を擁する大国。中にはパクリではなく、あくまでもオリジナルで勝負している製品も少なくない。残念ながらそれに品質が伴うかどうかは別問題で、正直なところ、当たり外れが大きいと言わざるを得ない状況だが、それにとらわれていては中国ならではの創造力溢れるオリジナル製品を見逃してしまうことになる。今回、ナリナリドットコムの中国特派員は、中国のネットで見つけたバズーカのような望遠レンズの付いたデジタルビデオカメラ「遠距離ハイビジョンDVカメラ」を入手する機会を得たので、簡単にレポートしていこう。

“世界唯一のオリジナル”とのキャッチフレーズが付けられ、広東省深セン市にある家電メーカーが製造・販売しているこのDVカメラ。ブランド名は「Vivikai」となっている。一見するとどこにでもあるDVカメラに過ぎないが、メーカーが自信を持って“世界唯一のオリジナル”と謳うのにはワケがある。それがレンズ先端部分に装着できる倍率9倍の望遠レンズの存在だ。また、リモコンが付いており、遠隔操作もできる。

このDVカメラの用途は、通信販売サイトの説明によれば「観光」「スポーツ観戦」といったライトなものから、「軍事偵察」「武警巡視記録」「重火器を用いる危険な場所での撮影」などのスパイ用途までと幅広い。また、売り文句には“香港記者指定専用ビデオカメラ”とも書かれており、イメージ的には「このカメラがあればスクープゲット!」といったところ。ただ、ある香港人記者にたずねたところ「(こんなカメラ)見たこともない」と一蹴されてしまった。

気になるのはやはりお値段だが、サイトによっても異なるが、今回入手した通信販売サイトでは1,180元(約14,000円)で販売されていた。一般的なDVカメラに比べれば、お手頃な価格設定と言えそうだ。ただ、実際に撮影した映像や写真はサイトに掲載されているサンプルよりも質が落ちる印象で、価格相応といったところだろう。

ちなみに販売業者に対して「このDVカメラ売れているんですか?」とたずねたところ、「たくさん売れていますよ」との返答。実際、通信販売サイトには“3,000台限定、残り181台”と書かれている。しかし、これは中国の通信販売サイトがよく使う手で、実際の販売台数ではない。その証拠に初めてサイトを見た日から2か月が過ぎた時点でも“残り181台”のままだった。

しばらく使用してみた印象では、この「遠距離ハイビジョンDVカメラ」のコストパフォーマンスは“中の上”といったところ。遊び半分で購入するのならば損はしない商品だが、画質的にもこれをDVカメラのメイン機として使うには無理がある。お金を出せばもっと高倍率のDVカメラを買うこともできるだけに、あくまでも圧倒的な低価格で、どうしても望遠レンズが必要な環境下にある人だけ役立つDVカメラなのかもしれない。

なお、「遠距離ハイビジョンDVカメラ」の基本スペックは以下の通り。

サイズ:110×60×50mm(望遠レンズ未装着時、望遠レンズの長さは110mm)
重さ:357g(望遠レンズ未装着時)
ビデオ解像度:HD720P(1280 × 720)/ VGA(640 × 480)/ QVGA(320 × 240)
カメラ解像度:12M/8MP/5M/2M
動作モード:DVカメラ/デジタルカメラ/MP3プレイヤー/ボイスレコーダー
ファイル形式:JPEG /AVI/MP3/WAV
内部メモリ:32MB
外部メモリ: SDスロット(SDHCカード最大8GBまで )
操作言語:中国語/英語/日本語/フランス語/ドイツ語/スペイン語/イタリア語/ロシア語/トルコ語/アラビア語/ペルシア語

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