ネットの“情報過多”を表現、24時間中にFlickr公開の写真100万枚印刷。

2011/11/17 09:31 Written by Narinari.com編集部

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世界を賑わす話題から局地的な出来事まで、誰でも欲しい情報をすぐに探し出せるインターネット。何でも情報が見つかるように思えるということは、それだけネットの情報量が莫大ということで、誰もが手軽に利用する最近では、日々新たに更新されていく情報の量も飛躍的に増大している。そうした現状を表現しようと思い付いたオランダ人アーティストは、アムステルダムの美術館で一風変わった展示会を開き、注目を集めているようだ。

英紙デイリー・メールやメトロなどによると、話題を呼んでいるのは、アーティストのエリック・ケッセルスさんがアムステルダムの写真美術館「Foam」で行っている展示会。「Photography In Abundance」と題された展示物は、山のように積まれ会場を埋め尽くしている大量の写真で構成され、その写真の1枚1枚が、今回のテーマに沿った大切な展示作品となっている。

これらの写真は写真共有サービス「Flickr」上で、24時間中に利用者が公開した写真を印刷したもの。その数、約100万枚に及ぶという。彼は膨大な写真を使った今回の展示について、「毎日1つのサイトでもどれだけ多くの写真が公開され、共有されているのか、そのスケールを感じる機会を観客に示したかった」と、その意図を語っている。

インターネットを利用する、最近の人たちがさらされている「情報過多」を作品として表現したケッセルスさん。実際「Flickr」上では、現在「推定60億以上の写真」が公開されているとされ、今回彼が印刷した100万枚という数は、その中のほんの一部に過ぎない。しかしそのペースで毎日増えているとすれば、「Flickr」上だけでも年間3億枚以上の写真が新たに公開される計算で、インターネット全体で考えれば、写真だけでもそれを遥かに上回る莫大な量が日々更新され続けているはずだ。

インターネット上で起きているこうした現在の状況に対し、「情報に溺れる感覚を表したかった」と話すケッセルスさん。今回彼が行った展示は、普段何気なく誰もが使用しているインターネットの大きな世界を、分かりやすく考えさせてくれる面白い作品と言えそうだ。

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