104歳の記念に救急車を寄付、新聞で知ったイスラエルの現状に心痛める。

2011/11/11 10:10 Written by Narinari.com編集部

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年を重ねていくと、誰でも不安を募らせるのが健康の問題。体力の衰えを頭に入れ、病気にならないように日頃から注意しておくのが、平穏に長生きする秘訣の第一歩かもしれない。そう気遣って現在も元気に過ごしているという米国の104歳の男性が、今度は他人の命を気遣って大きな寄付を行った。彼は、新聞で目にしたイスラエルの現状に心を痛め、10万ドル(約770万円)相当の救急車1台を送ったそうだ。

この男性は、フロリダ州パークランドで95歳の妻フランシスさんと元気に暮らしているバーニー・ネナーさん。クリーニング店と駐車場経営の仕事を1974年に辞め、老後の生活に入ったネナーさんだが、御年104歳となった今でもまだまだ元気いっぱいだ。その秘訣は、食事のコントロールと普段行っているボランティア活動のおかげ。50歳のとき、病院の検査でコレステロール値の高さを指摘された彼は、それから鶏肉と魚中心の食生活に変え、量と栄養を考えた食事を心がけた。さらに夕食のワイン1杯も止めた現在は、「20歳のときと同じ体重」(米紙マイアミ・ヘラルドより)という、約60キロの体型をキープし続けている。

また、日々ボランティア活動のため向かう図書館にも、乗り物を使わずに自らの足で歩いていく。これには適度な運動を行うと同時に、「苦しい家計の中で成長し、15歳で仕事を始めた」(米紙サウスフロリダ・サンセンチネルより)過去も関係していた。家庭の経済状態から高校を6か月で中退して仕事を始めたネナーさんは、「ずっと本に興味があった」という。仕事をする傍らで勉強を独学で続けるなど、常にさまざまな本を読み続けた彼は、今でも図書館で「最高週4冊」(マイアミ・ヘラルド紙より)を読む、本の虫だそうだ。

そんな彼が、ここ何年か気になっていたのがイスラエルの現状。本や新聞で命に関わる事件の多くを知り、救急車が必要と知ったネナーさんは、そこに「お金を費やす最高の方法」を見つけたという。7年前から近所の仲間数人と救急のためのユダヤ人支援団体を作り、さまざまなチャリティー活動に関わって来た実績もあったネナーさん。今回は自分が104歳を迎えた記念として、自分の力で救急車を寄付しようと思い立ったそうだ。

15歳から必死に働き、経営者として仕事で成功を収めた彼は、銀行に貯えていたお金を使おうと決意。妻の賛同も得て、彼は夫婦名義で10万ドル相当の救急車を購入し、10月16日に晴れて支援団体を通じて寄付を行った。これには76歳の娘も、ネナーさんが数年前からやりたがっていたことと明かした上で喜んでいる。

また、彼が設立に関わった団体の会長も「彼はとても気前がいい人なんだ」と語り、今回の寄付に驚くと同時に喜んでいる様子。ネナーさん自身は「あまり注目されるのは好きじゃない」と謙遜しながらも、今回の報道を通じて「他の人も“知る機会”があれば、同じことをするんじゃないかな」と話し、自分や団体の活動が市民により広まればと期待しているそうだ。

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