15歳が勝手に“路面電車でGO”、営業運転するも乗客は誰も気が付かず。

2011/11/08 19:00 Written by Narinari.com編集部

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特に男性なら小さい頃に憧れた人も少なくないであろう、運転士のお仕事。バスや電車、飛行機と、世の中にはさまざまな乗り物があるが、どの運転士も普通の人が触れることのできない機器を操る、安全に人を運ぶ“プロ”としての姿が魅力に映るのかもしれない。その立場に就くには厳密な安全ルールに則るため、技術や知識、免許などを習得する必要があるのは当然のことだが、路面電車の運転士になる夢を募らせていたロシアの15歳少年は先日、その思いに我慢できず、つい実力行使に及んでしまった。

ロシア英字紙モスクワ・タイムズなどによると、この事件は10月9日、ロシア西南部にあるチェリャビンスク州ズラトウーストでのこと。お昼頃、乗務していた運転士と車掌が昼食のために外出したところ、無人状態となった路面電車の前に15歳の少年が現れた。この少年が抱く将来の夢は「路面電車の職員として働くこと」。数年前からこの会社の運転士や技術者と頻繁に交流を重ねるようになり、すべての職員と顔なじみになっていたという少年は、この日、無人の路面電車を前にして「運転してみたい」との衝動を抑えきれなくなったようだ。

職員らの話に加え、「インターネットでも路面電車をどのように動かすのかを学んでいた」少年。運転士も車掌も関係者らも気が付かないうちに車庫から発車させると、路面電車の“営業運転”を始めてしまう。その距離およそ4キロ、40分間に渡って運転した少年は、停留所で待つ乗客も拾いながら「慎重な停車」(ロシアニュースサイトChelyabinsk.ruより)をするなど、日頃インターネットやゲームで学んだ技術を見せつけた。

それだけに、問題の路面電車に乗った乗客たちも、運転しているのが15歳の少年だとは全く気が付かなかったという。そんな順調な運転が続く中、ようやく事態に気が付いた会社は、警察の協力もあって問題の路面電車を発見すると、通過するポイントを動かして車庫へと強制的に移動させたそうだ。結果、少年も「抵抗せずに」警察に逮捕され、彼の営業運転は終わった。

警察の調べに対し、少年は「夢を実現できるチャンスだと思った」(モスクワ・タイムズ紙より)と話しているそう。ロシアでは、一般的に素人が電車を運転すると最高で懲役5年の罪が科されるが、警察関係者は少年が未成年の上、誰にも危害を与えず大きな問題も発生していないとして、執行猶予や罰金などの「軽い刑に処されるだろう」と語っている。

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